ウーバーの集団訴訟、イリノイ州でも ドライバーの待遇巡り

(Photo Illustration by David Ramos/Getty Images)

ウーバーが新たな集団訴訟に直面している。同社は4月下旬にカリフォルニア州とマサチューセッツ州の38万5,000人のドライバーに対し1億ドル(約107億円)を支払うことで和解したばかりだ。

ウーバーを相手取った新たな集団訴訟は5月1日、数十万人のドラーバーが同社を相手取る形でイリノイ州の地方裁判所で起こされた。4月に和解した裁判と同じように、ウーバーがドライバーを独立契約者(independent contractors)としていることは間違っているとし、未払いの残業代と経費を支払うべきだとしている。

さらに、今回の訴訟ではウーバーのビジネスモデルでは乗客からチップを受け取れないことについて、「ドライバーが対価として受け取るべきチップをウーバーが奪っている」として、ドライバーに支払うべきだと主張している。これについて4月に和解した訴訟では、ウーバーは乗客に対しチップが料金に含まれていると今後は通知しないようにするとした。同業のリフト(Lyft)では、チップを支払うかどうかは乗客が決める仕組みになっている。

ブライアン・マハニー(Brian Mahany)弁護士は「ウーバーがドライバーの活動を分刻みで細かく管理していることは、ドライバーが従業員であることを示しています。ドライバーを“独立契約者”と呼んでいるからといって、従業員としての権利や保護を保証しないことはできません」と説明する。

ウーバーは4月に和解した訴訟では1億ドルを支払うことになったが、引き続きドライバーを従業員ではなく独立契約者として扱う決定となったため、「勝訴」とみなされていた。今回の集団訴訟が同じような結果になるかはまだ分からない。

ウーバーの広報担当者はフォーブスの取材に対し、メールで次のように説明した。「ウーバーのドライバーの90%が、個人事業主として働けるからとの理由でウーバーを選んでいます。従業員になると、決まったシフトをこなす必要があり報酬は固定の時間給になるうえ、他の配車アプリと掛け持ちすることや、ドライバーたちが最も価値を置いているフレキシビリティを失うことになります」


編集=上田裕資

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