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MOTOKO / Shutterstock.com

雪がちらつく小寒の夜だった。古い町屋の前でふと、半世紀も前のウィスキーのテレビCMを思い浮かべた。あの画面では一人旅の白人男性が、深更、古民家と思しき宿を訪ねていた。満足に言葉も通じないが、木戸口を潜って視線を合わせた着物姿の女性は、凛として静謐なもてなしの意を表す。そして流れる、ペーソスのなかに温かさを包んだ異邦人のハミング。

私の前に展開する光景はあのCMそのものだった。2月の飛騨高山は、三町筋から上三之町を南に下ったあたりである。ただ、半世紀前とは全く異なる光景も展開されていた。古い町並みは外国人旅行者で溢れていた。中国系の人々はもちろん、欧米人や東南アジア各国からの訪問者も多い。地元の物産店や飲食店で交わされる言葉はほとんどが外国語で、表札から注意書きまでが複数の外国語で表記されている。

「高山市は年間400万人ほどの観光客をお迎えし、そのうち30万人が外国からの方々です。これを劇的に増やし、高山や奥飛騨をインバウンドの一大拠点にしていこうと検討しているんです」。チロルハットが似合うK氏は、金融に通暁した東京のコンサルタントだが、この地の出身で高山市の顧問も兼任している。

彼が諳んじる数字を聞いて驚いた。2005年の外国人観光客数は8万9,500人、それが10年に18万7,000人へ、14年には28万人へと5年ごとにほぼ倍増ペースなのだ。4分の1が台湾からで、10%がタイ、5%台の米国、オーストラリアと続き、中国は2%弱にとどまっている。人口10万人にも満たない当地で外国人が目立つのもわかる。

K氏によると、30年前に国の国際観光モデル地区に指定されて以降の、長年にわたる地道な努力の積み重ねの成果だという。「色々やってきましたが、まだまだ戦略を練っていきます」。誘客のために、市長自ら海外でトップセールスを展開し、ネットやソーシャルメディアをフル活用した情報発信に注力、海外市場への出展にも熱心だ。訪問外国人向けのWi-Fi環境の整備も進んでいる。

文 =川村雄介

 

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