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I have an insider's take on Wall Street

adamico / shutterstock

人間の活動のほぼすべての側面にはすでに、それぞれに特化したアプリケーションが存在する。フェイスブックやグーグル、アップル、マイクロソフト、IBM、アマゾンドットコムなどテクノロジー大手の“レーダースクリーン”上で現在、次なる重要、かつ競争力ある分野として存在感を高めているのは、人工知能(AI)向けのアプリだ。

調査会社IDCによると、機会学習(人工知能)アプリ市場は2020年までに、およそ400億ドル(約4兆2900億円)規模にまで成長する可能性があるとみられている。また、それらアプリのうち60%が、テクノロジー大手のプラットフォーム上で実行されるものになると予測される。

IDCはさらに、現在のところ提供されているアプリのうちAIを利用するものはわずか1%程度にすぎないものの、2018年にはその割合は、少なくとも50%に達すると見込んでいる。

さらに、著書「The Master Algorithm – A.I. and Big Data Will Remake the World(ザ・マスター・アルゴリズム──人工知能とビッグデータが世界を作り変える)」の中でペドロ・ドミンゴは、AIに関連したこのレースを制する者こそ、情報時代の新たなステージを支配することになると指摘する。

こうしたアプリの将来に関連して、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは今年4月、世界中のすべての人にインターネットを利用可能なものとし、社会全体がクラウドコンピューティングの恩恵を受けられるようにすることがもたらし得る力について強調していた。

医療分野に最大の恩恵

ザッカーバーグによると、我々が受ける最大の恩恵の一つは、診断能力の向上になりそうだ。病気をより早期に、迅速に発見できるようになる。

同氏が例に挙げたのが、スマートフォンで撮影した写真とAIアルゴリズムによって、人間の医師より早く皮膚がんを発見することができるアプリだ。撮影した写真があれば世界中のどこにいる医師でもより適切に、黒色腫(メラノーマ)の診断を下すことが可能になる。

ザッカーバーグは、AIを利用したがんの診断、特に皮膚がんの診断はすでに行われており、インターネットの利用方法のうち最も優れたものの一つになるだろうと述べた。ただし、この発言の中では特定のアプリの名称について、言及しなかった。

診断用アプリとしてすでに利用されているもの一つに、無料でダウンロードすることが可能な「DermaCompare(ダーマコンペア)」がある。クラウドベースのAI技術とスマホのカメラ機能を利用し、トータルボディフォトグラフィー(TBP)を通じてメラノーマの疑いを検出することができる。

このアプリは、イスラエルのエメラルド・メディカル・アプリケーションが開発したもので、すでに米食品医薬品局(FDA)の承認を得ている。同社のリオ・ウェインCEOによると、米HIPAA法(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に従って作成されたこのアプリは、特許取得済みのアルゴリズムによって写真を比較することにより、患者も医師も、黒色のほくろが皮膚がんか否かを特定することができる。ウェインによれば、ダーマコンペアは現在のところ、皮膚がんの診断用として使用されている世界で唯一のAIを搭載したアプリだ。

ウェインはまた、患者がクラウド上のファイルにTBP画像をアップロードすると、ダーマコンペアのプラットフォームがその患者の過去の画像やデ-タベースに保存されている関連の画像と比較し、提携している医師に通知、診断を仰ぐと説明している。データベースには、黒色腫の画像データ約5,000万件が保存されている。

高まるイスラエル企業への注目

一方、イスラエルの大手ベンチャーキャピタル、ピタンゴ(Pitango)の創設者であるイツァーク・シュレムCEOは、世界のテクノロジー大手各社の間では、イスラエルの技術に対する需要がかつてないほど高まっていると話す。自らもエメラルドに投資しており、「医療用のAI搭載アプリが次の大きな波になるだろうという点で、ザッカーバーグと同意見だ。エメラルドはこの分野において、重要かつ主要な企業の一つになるだろう」と述べている。

また、エメラルドのウェインCEOは、ダウンロード数が最多となる医療用の無料アプリの開発を目指す次なるレースへの参加に向けて、グーグルもフェイスブックもすでに関連企業を買収していると指摘。価値あるサービスを提供する無料アプリの開発競争は今後、テクノロジー大手にとってこれまで以上に重要なものになっていくとみている。

エメラルドは今のところ、どちらかといえば名前を知られていない企業だ。だが、ザッカーバーグやその他のテクノロジー企業幹部がAIアプリ市場の支配権をめぐって戦いを繰り広げることになると見込まれるなか、同社に対するテクノロジー各社の注目は高まっていくものと期待される。

編集 = 木内涼子

 

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