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2016.05.08

「脳」を健康に保つための7つの習慣〜行動編〜

lzf/shutterstock

私たちの体の中にある臓器の中で、圧倒的な重要性を持つ「脳」。その脳をいかに健康に保つかについて、私たちの間にはいくらかの誤解があるようだ。では、私たちの脳を助ける科学的証拠が示されているものとは何だろうか? すでに明らかになっている7つの習慣のうち、行動にまつわる4つを紹介する。[食事編はこちら

1. 運動をする

身体活動は明らかに、脳の健康や認知機能と関連している。運動をする人は脳容積が大きい。思考能力も記憶能力も高く、認知症を発症する危険性も低くなるとみられている。

米神経科学雑誌「Neurology(ニューロロジ-)」に発表された研究結果によると、積極的に運動をしている高齢者は認知力テストの成績が良く、脳年齢は実年齢よりおよそ10歳若いことが分かった。この理由は完全には解明されていないが、運動によって血行が促進されることに関連しているとみられる。

このほか運動は、記憶や学習機能に関わる脳の器官、海馬における神経細胞の新生を助けているとも考えられている。海馬は加齢と共に萎縮し、それがうつやアルツハイマー病の発症ともかかわっていることが確認されている。

しかし、脳に悪影響を及ぼす運動もある。アメリカンフットボールなどのように衝撃を受けるスポーツは、脳損傷や認知症の原因となる。たとえ小さな衝撃でも、繰り返し受ければ脳へのダメージが蓄積される。サッカーのヘディングも同じだ。

また、脳の健康のためには若いうちに運動を習慣化することが良いとされており、始める年齢が若ければ若いほど、効果が高いことも分かっている。

2. 瞑想をする

瞑想と脳の関連性は、非常に興味深い。数千年前から、心理学にみて効果があり、そして恐らく神経学的な観点からも有効だというということを示す事例的証拠が、数多く示されてきた。しかし、科学的な証拠が得られるようになったのは、わずか5~10年前からのことだ。

大脳皮質の一部は、瞑想によって容積が増すことが分かっている。一方、恐怖心や不安感に関わる偏桃体の機能が抑制される。また、私たちが何となくさまざまなことに思いを巡らせているとき(主に否定的なことを考えたり、悩んだりしているとき)に活発に機能しているデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の活動も抑えるという。瞑想はまた、脳の異なる部分同士をつなぐ白質路に変化をもたらし、注意力と集中力を高めてくれるようだ。
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編集 = 木内涼子

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