Zero Zero Roboticsは小型デバイスにAI(人工知能)を搭載することを目的に事業をスタートした。MQはスタンフォード大学とカーネギーメロン大学の大学院で機械学習を学び、AIを様々な用途に適用することに大きなポテンシャルを感じたという。
彼はインタビューで次のように述べている。「我々は2年前、単にドローンや新しいカメラを開発するだけでなく、AIを搭載する方ほうがビジネスを広げられることに気が付いた。私はこれを個人的に“組み込み型AI”と呼んでいる。私がスタンフォード大学とカーネギーメロン大学で学んでいた頃、AIは大型のデータセンターで運用されていた。しかし、スマートフォンの普及で部品のコストが大幅に下がったばかりでなく、スマートフォンに搭載された高性能チップを使ってコンピュータビジョンアルゴリズムを手軽に処理できるようになった」
自立制御が可能なドローンは、Zero Zero Robotics以外のメーカーも開発している。最大手のDJIが最近リリースした「ファントム4(Phantom 4)」は、内蔵されたセンサーで障害物を発見し回避することが可能だ。自撮りドローンの「リリー(Lily)」はまだ発売されていないものの、開発メーカーはDJIよりも使いやすいと自信をのぞかせる。
リリーはGPSや底面カメラ、ユーザーが装着する追跡装置などを使ってユーザーを自動追尾する仕組みだ(屋内で使用する場合、GPSはうまく機能しないのが難点だ)。リリーが予約販売で6万台を突破し、3400万ドル(約38億円)を集めたことからも、自動追尾が可能な自撮りドローンに対するニーズの大きさがうかがえる。