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フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(右)と妻のプリシラ・チャン / Photo by Anita Bugge/WireImage

フェイスブックが先日発表したクラスC株の発行計画には、マーク・ザッカバーグCEOが抱く、壮大な野心が隠されている。

31歳のザッカーバーグは世界で6番目に裕福な人物であり、世界最大のSNS帝国を率いているが、その野心は現状に留まらない。4月27日、フェイスブックは第1四半期の業績発表とともに、議決権のないクラスC株式の発行計画を発表した。この新株の発行により、ザッカーバーグは会社の支配権を失わずに慈善団体の活動等に資金を注げることになる。

今回のスキームはザッカーバーグの会社の支配権をより強固にするものだが、彼が死去した場合や、病気などで業務遂行が不可能になった場合、彼が会社を去った場合等には、議決権を失うとの記載もある。ただし、注目すべき「抜け穴」がそこにはある。

クラスC株発行に隠された意図

彼が自らの意思で職務を離れたとしても、彼が会社の支配権を保てるケース――。それは、書類上に「政府機関に勤務する場合」と記載されている。役員の自主的な退職は通常ならば、役員会で議決権を失うことにつながるが、フェイスブックが導入しようとしている仕組みはザッカーバーグが政府の仕事のために仕事を離れる場合、CEOの権限を維持できるとしている。

ここから連想できるのは、米国で8番目の富豪であるマイケル・ブルームバーグ元NY市長のケースだ。メディア企業「ブルームバーグ」を率いる彼は2001年に会社を去り、ニューヨーク市長として12年間働いた後、2014年にCEOとして復職した。彼は「第三の大統領候補」として名前があがることも度々だ。

ザッカーバーグは今回の特例条項により、選挙で公職に選ばれた場合及び行政の職務に就く場合は、職務を離れてもフェイスブックの支配権を維持できる。実際、どのような職務を想定しているのかは不明だが、その職務は月間16億人のアクティブユーザーを抱えるフェイスブックの運営以上に、重要なポジションであることが推測できる。

米国大統領になるには35歳以上であることが条件だが、31歳のザッカーバーグは既に上院議員や下院議員の職に就くことは可能だ。

本件に関し、フェイスブックからのコメントは得られていない。この条項は弁護士らが単なる仮の想定として、埋め込んだものに過ぎないという可能性もある。しかし、ザッカーバーグがフェイスブックの運営以上の壮大な野心を抱いていることは確実だ。昨年12月、彼は妻のプリシラとともに「Chan Zuckerberg Initiative」を設立し、慈善事業への注力を宣言した。さらに、4月27日、ザッカーバーグは次のようなアナウンスを行った。

「世界をつなげるミッションは今後も自分にとって最も大事なことであり続けます。その一方、グローバルレベルで果たさねばならない、さらに大きな責任も感じています。今世紀末までに、全ての難病を治療可能にし、全ての子供が個人のレベルに合った学習が行えるよう、教育システムを変えていく。気候変動の影響から環境を守ることも大切です」

差し当たり、新規に発行されるクラスC株が寄付や慈善事業に使われるのは確実だ。しかし、長いスパンで考えると今回の条項により、ザッカーバーグはいつでも政府関係の要職に向けて、その一歩を踏み出せるようになったのだ。

編集=上田裕資

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