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I write about science, technology and the cultural ripples of both.

Belight / Shutterstock

私たちの「主観的幸福」に影響を及ぼす遺伝子が、約30万人を対象にした過去最大規模の調査によって特定された──私たちの幸福感や落胆、そうした心理的要素と遺伝子の関連性が、遠くない将来に解明されるかもしれない。

科学誌「ネイチャー・ジェネティクス」に先ごろ掲載された論文によると、調査は17か国から190人を超える研究者が参加し、調査対象者のゲノムデータを分析したもの。その結果、主観的幸福に関連している3つの遺伝的バリアント(多様体)が確認された。

主観的幸福とは、私たちが自分の生活の質に関して持つ思考や感情のことで、心理学においても「幸福感」の中心的要素であると定義されているものだ。このほか今回の調査では、うつや神経症的傾向との関連があるバリアントも特定された。

論文の主著者、ベイラー医科大学付属テキサス小児病院のアレクシス・フレイザーウッド小児栄養学助教によると、調査は「最新の統計解析手法を用いてメタ解析を実施」したもので、「主観的幸福のほか、抑うつ症状と関連のあるバリアントが出現する2つの遺伝子と、神経症的傾向とかかわる11の遺伝子を特定した」という。

今回の研究を含め、過去の研究から明らかになった遺伝的証拠は、このように確認された事実の確実性を高めてきたといえる。だが、研究者らはこれについて、重要ではあるものの、証拠はパズルの1つのピースにすぎないと指摘している。

論文の共著者である南カリフォルニア大学・経済社会研究所のダニエル・ベンジャミン准教授は、「遺伝的特徴は、心理的特徴に影響を及ぼす一つの要素にすぎない。心理的特徴には、環境が遺伝的特徴と少なくとも同程度の重要性を持っている。環境と遺伝的特徴もまた、相互に関連している」と説明する。

関連の研究で今後に注目が集まるのは、環境と遺伝的影響が“どのように” 相互作用するのかをより詳細に解明できるかどうかという点だ。そして、さらにその次の段階は、これらの特定の遺伝的要因がなぜ、私たちの幸福感を左右するのかを特定することだ。

フレイザーウッド助教は、「生物学的にみて、人によって思考の傾向に一定の特徴が現れるのはなぜか。これらの遺伝子の機能に関する研究を行うことができれば、その理由を明らかにすることができるだろう」と述べている。

編集 = 木内涼子

 

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