周囲の人々からアイデアを引き出し、組織全体の創造性を高める「イノベーション・アーキテクト」。こうした“設計者”には、ある共通点がある。それが、「5つの行動+1」だ。
彼らは、以下5つの行動を実践し、「あきらめない」のだ。
1. ビジネスに直結するアイデアにフォーカス
2. 独自のアイデアを探すために、外の世界とつながる
3. 当初のアイデアを見直し、必要に応じてひねる
4. 最も優れたアイデアを選び、それ以外は捨てる
5. 社内政治をかいくぐり、ひそかに企画を進める(ステルスストーミング)
特に注目したいのが、(5)「ステルスストーミング」。誰だって社内政治は避けたいが、企画がどこかの段階でこの問題に直面する可能性がある。だからこそ、社内政治を理解することが重要。どれだけ素晴らしいアイデアであろうと、実現させられなければ所詮は“絵に描いたモチ”。イノベーションには夢や理想ばかりでなく、リアリズムが求められるのだ。
パディ・ミラー(Paddy Miller)◎IESEビジネススクール教授。専門は組織マネジメント研究。ハーバード大学などでも教鞭をとる傍ら、ブルガリやルフトハンザのコンサルタントとしても活躍。『イノベーションは日々の仕事のなかに』(邦訳:英治出版刊)など著書多数。