出資を機にGVのパートナーであるアンディ・ウィーラーがHeliumの取締役に就任する。今回のラウンドには、GVの他に既存株主であるコースラベンチャーズとファーストマーク・キャピタルも参加した。
「IoTは、家庭向け、企業向けともに今後大きな成長が見込める。例えば、コールドチェーン(低温管理が必要な製品を生産者から消費者まで低温環境で流通させる物流体系)の管理や、重機の故障を防ぐための予防保守、工場内の室内空気汚染のモニタリングなどの分野でIoTの導入が進むだろう。これまでIoTプラットフォームの構築には様々な課題があったが、Heliumはその多くを解決する」とウィーラーは声明の中で述べた。
病院での薬品管理にも活用
2013年に設立されたHeliumは、「Sensing as a Service」と呼ばれるビジネスモデルを展開している。これは、顧客のビジネス全般にセンサーを導入してデータを管理し、月額利用料を徴収するというものだ。同社の主要顧客は中規模の企業で、既にいくつかの病院やレストランにセンサーネットワークをテスト導入している。病院に対しては、冷蔵庫にセンサーを組み込んでワクチンが一定の温度で保管されているかをモニタリングしている。
同社は最近、「Helium Green」というスマートセンサーを開発した。このセンサーは、気温、湿度、気圧、光、モーションを遠方から測定することができ、センサーを動作させるためのバックエンドソフトウェアをHeliumが管理している。また、Heliumは顧客がセンサーにアクセスしてデータを管理するためのウェブサイトやモバイル用アプリも提供している。
Heliumの社長兼COOのロブ・チャンドホックは、自社の強みについてインタビューで次のように語っている。「IoTソリューションの一部を担うだけであれば、他にも数多くの企業が既にサービスを提供している。例えばIoTプラットフォームを提供する企業が25社、センサーを作る企業が25社、ワイヤレステクノロジーを開発する企業が10社といった具合だ。しかし、これら全てを統合して機能させることは非常に難しい。我々はそれを実現した」