プリンスの死をきっかけに、この病気についてはまだ一般的に知られていないことや誤解があることが、改めて浮き彫りになっている。
−57歳男性の死因になり得る?
インフルエンザが直接的、間接的な死因になることはあり得る。インフルエンザ感染で体力が落ちれば、ウイルス感染症や細菌感染症が重度の肺炎や脱水症状を引き起こすこともあるのだ。また、うっ血性心不全や糖尿病などが悪化す危険もある。
乳幼児や高齢者にとって、より危険なウイルスであることはよく知られている。
−流行シーズンは過ぎたのでは?
北半球の流行のピークは、一般的には2月とされている。ただ、1982~2014年の間に5回、3月に流行したことがある。また、南半球の流行シーズンは4~9月の間になることが多い。そのため、例えば北半球の流行シーズンに備えてワクチンを接種したとしても、感染の可能性がなくなる訳ではない。
−死因がインフルエンザか否か、特定は可能?
発熱、寒気、咳、のどの痛み、筋肉・体の痛み、頭痛、倦怠(けんたい)感など、フルーの症状は一般的なものが大半だ。そのため、他の多くの病気の症状と区別するのが難しい。インフルエンザにかかったと思っていても、病院での検査の結果、別のウイルスに感染していたことが判明する場合もある。
アデノウイルス、コロナウィルス、ヒトメタニューモウイルス(小児の呼吸器感染症)、パラインフルエンザウイルス、ライノウイルス、呼吸器合胞体(RS)ウイルス、水痘(水ぼうそう)、脳炎、肝炎、ヘルペス、HIVなど、症状が似ているウイルスは多く、特定は簡単ではないだろう。