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ニュージランドの公共バス (Photo by EyesWideOpen/Getty Images)

省エネや温室効果ガスの排出量削減において、普通乗用車やその他の軽量自動車の分野はもう頭打ちになりつつある。残る“成果を出しやすい対象”は大型車両であり、テスラ・モーターズ共同創設者のイアン・ライトはこの数年、そこに注力している。

その彼の立ち上げた会社ライトスピード(Wrightspeed)がつい先日、ニュージーランドの輸送バス数百台をタービン出力のハイブリッド・パワートレインに交換するという3,000万ドル(約33億円)の契約を勝ち取った。

問題となるのは、燃料1ガロンあたりの走行距離、つまり燃費だ。1ガロンあたりの走行マイル(mpg)を12mpgから15mpgに改善すれば、年間1万2,000マイル走行したと仮定した場合200ガロン以上の燃料を節約できる。これが21mpgから24mpgなら、節約できる燃料は年間わずか71ガロン、50mpgから60mpgなら35ガロンのみだ。

そこでライトはテスラを退社し、環境への影響が最も大きい中型・大型車両やバスに力を注ぐことにした。これら車両の燃費はわずか3~6mpg。乗用車などに比べてずっと重い貨物を積み、1日に100マイル以上走行することも多いため燃費が悪いのだ。それだけの距離を走行可能にするバッテリーを備えるとなると、積載貨物の半分の容量を使うことになり、大型車両としての意味をなさなくなる。

こうした大型車両の機能を損なうことなく、効率とコストのバランスをとるため、ライトはプラグイン・ハイブリッドシステムを発明。ライトスピードでは、高出力の電気モーターと減速ギアボックスを組み合わせ、それをトラックやバスのドライブアクセルの真上に設置するギアド・トラクションドライブ(GTD)を開発、駆動力と回生制動を実現した。リチウムイオン電池パックは、1回の充電で約30マイルの走行が可能なサイズだ。

ライトはまた、レンジエクステンダー(航続距離を伸ばす装置)として機能する優れたタービン発電機システムを考案。自動車向けのタービン出力は1950年代と60年代に大々的に開発が行われたが、ジェットエンジンはこの使い方には適していなかった。ジェットエンジンは負荷が大きく一定の場合に最も効率的に機能するが、道路車両は頻繁に加速や減速を行うためだ。

ライトはカスタム設計したフルクラム(Flucrum)タービンを直接、発電機とつなぐことで、一定速度での走行を実現し、バッテリーが絶えず充電されるよう電力を供給する仕組みにした。タービンそのものも地上輸送の用途に合わせて最適化し、航空機のエンジンよりも安いコストで製造できる。ライトスピードは既存のターボチャージャー技術をもとにエンジンを開発したのだ。

ジャガーも数年前にCX-75コンセプトカーで同じようなアプローチをとったが、使用したのははるかに高額な航空機エンジンだった。

編集=森 美歩

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