TheSkimmの購読者は今や350万人。スマホやタブレットでニュースをチェックする若い女性向けに、毎日簡単にまとめたニュースを配信している。「今では、朝の情報番組の中では視聴率第3位ぐらいの感じです」と冗談交じりにザーキンは言う。
人気司会者オプラもファン宣言
アメリカでは知らない人はいない名司会者、オプラ・ウィンフリーが「お洒落でスマートなニューズレターTheSkimmのファンだ」とツイートしたことでも話題になった。フォーブス誌の「30アンダー30」にも選ばれたザーキンとワイズバーグは、ミレニアル世代のニュースの取得の仕方を変え、2014年にはベンチャーキャピタルから780万ドル(約8億5800万円)を調達した。
現在、TheSkimmは自社ブランドを確立するべく、コンテンツ課金というメディアの次のステップに移っている。主力サービスであるニューズレターは無料のままだが、4月19日にiPhoneで購読できる有料サービス「Skimm Ahead」をリリースした。
Skimm Aheadは初月無料で、月額2.99ドル。セレクトされたイベント情報やおすすめの旅行情報、見るべきテレビ番組のリマインダーなどを受け取ることができ、iPhoneのカレンダーとも同期できる。ザーキンとワイズバーグは、TheSkimmのファンは、彼女らのツボをついた情報には、喜んでお金を払うはずだと確信している。
例えば、ビヨンセのコンサートのチケットや、ワシントンD.C.の桜まつりの旅行のチケットなどを、Skimm Aheadユーザーはアプリから直接予約できる。若い女性をターゲットにしているマーケターなら、間違いなく利用したがりそうなサービスだが、現状ではSkimm Aheadがリコメンドしている情報は、広告収益を考えていないという。課金リンクやスポンサー付きの情報を導入するのは、もう少し先になるだろうと2人は言う。
TheSkimmのメール開封率は40%以上。広告付きの無料のニューズレターをマネタイズするのに、2人はじっくりと時間をかけてきた。ニューズレターのロゴにも気を配り、感度の高いターゲットを逃さないようにメディアを育ててきた。そうやって慎重に誠実にやってきたからこそ、本物の人気が手に入れられたと2人は知っているのだ。