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2016.05.08

アルツハイマー病のリスク低減のためにできること、本当に有効な対策とは?

Monkey Business Images/shutterstock


運動

運動と脳の健康の関連性は強く、各種研究でも次々と確認されている。運動することで脳の血流が増え、脳に送られる酸素が増えることが、その根拠である可能性がある。また運動は脳の中でも学習と記憶をつかさどる“海馬”に新たなニューロンを生成する上でも役に立つとみられる。ニューロンは加齢やアルツハイマーが原因で減少することが分かっている。

一部の研究では、遺伝的にアルツハイマーになるリスクがある人は、運動をすることが海馬の維持に有効な可能性があるとされている。また別の研究でも、運動によって発症を遅らせたり、発症リスクを減らせる可能性が多く示唆されている。運動がアルツハイマーのリスクを明らかに減少させるとまでは言わないものの、運動が一般的な予防として有効であることは確かなようだ。

心臓

運動と認知症の関連性の根拠ともいえるのが、心臓と脳の間にみられる明らかな関係だ。例えば喫煙は、心臓とも認知症とも関連が指摘されている。体重過多、肥満、座りっぱなしの運動不足、高血圧や糖尿病も同様だ。つまり心臓に良いと知られていること――食べ物、ライフスタイルにおける選択や運動――は脳にとっても良い。逆も然りだ。

「おそらく、ライフスタイルに関連するこれらの全ての要素が心臓血管疾患や脳血管疾患に関連のある共通の特徴だ」と、メイヨー・クリニックのデービッド・クノップマン研究員は言う。

「悪いライフスタイルを減らし、良い方(たとえば運動)を増やすことで心臓血管疾患のリスクが減少すると考えられている。そしてそれによって、心臓血管疾患によって引き起こされる脳の損傷(脳卒中、密かに進行する血管劣化など)が減少すると考えられている」

つまり言い換えると、運動は心臓血管に影響を及ぼす可能性がある。コーヒーが認知症リスクの低減と関連があるという証拠も一部あるが、それも最近判明したように、心臓血管の健康につながりがあるからかもしれない。
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編集=森 美歩

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