アメリカに次いで世界3位のスマホ市場を誇るインドは、アップルにとって未開拓の一大マーケットだ。調査会社IDCが3月に発表したリポートによると、2015年の第4四半期におけるインドの30都市でのアップルのシェアは5%弱で、シャオミをわずかに上回った程度だ。
ティム・クックCEOは今年1月、第1四半期の業績報告で、「インドの若者層はアップルのような消費者ブランドを受け入れる準備ができている」と述べ、インドでの展開に力を入れていくことを示唆した。クックによると、インドにおけるiPhoneの販売台数は76%増え、売上は38%の上昇だった。
「インドの人口の半分近くが25歳以下で、消費者ブランドにとっては魅力的なターゲットです」とクックは語った。
しかし、アップルはすでに高価格のスマホにおいて大きなシェアを得ていることもあり、iPhone SEを買おうというインド人は少ないかもしれない。その理由を以下にまとめた。
伸びているのは大きなサイズのスマホ
インドで現在伸びているスマホは、低価格でスクリーンサイズが大きいモデルだ。メディア消費が増えているインドでは、売れ筋のスマホの50%近くが5インチ以上のディスプレイを備えている。4インチのiPhone SEは、サムスンやインドの携帯電話端末メーカーのマイクロマックス(Micromax)、ラバ(Lava)などが出しているモデルに対抗できないだろう。
妥当とは言えない価格設定
iPhone SEはアメリカでは399ドル(約4万3,000円)だが、インドでは590ドル(約6万4,000円)近くだ。アメリカとの価格差が48%もあるとなると、かなりの障害だ。インドでは463ドルのiPhone 6もあるため、新規ユーザーにとっても割高な設定だ。大きなスクリーンを好むことや本国との価格差を見て、SEよりも6が選ばれる可能性が高い。
4インチディスプレイは激戦
価格比較サイトPricebabaによると、アップルの主要ライバルであるラバ、サムスン、マイクロマックス、レノボのすべてが4インチ以上のスマホを、150ドル以下で販売している。iPhone SEは高い分高機能だが、4インチスマホの中では厳しい闘いとなりそうだ。