ビジネス

2016.04.27

嗜好用大麻の合法化で見えてくる、「本当の使用者」の姿とは

(Photo by Matthew Staver/For The Washington Post via Getty Images)


だがコロラド州では2014年2月から2015年12月にかけて、医療用大麻、嗜好用大麻ともに、売上に同じようなパターンが見られた。夏と12月のクリスマス・シーズンの期間中に、売上が増加したのだ。それらの時期は、市販の大麻の使用者が増える季節と重なる。医療用大麻を使用している患者たちも、それと同じ時期により多くの“治療”を必要するというのは気になる現象だ。

首都ワシントンD.C.では、医療用大麻を使用する登録患者数は2015年11月に4,749人に達していたが、2016年3月時点では3,430人に減少している。「その数は嗜好用大麻が合法化された直後ではなく、今になって減少し始めている」とカーンズは指摘する。

またカーンズは、今後は今より的を絞った投薬治療が行われるようになり、それによって医療用大麻市場の輪郭が明確になるという。そして、大麻製品は処方箋を要するものと、市販されるものに分かれるだろと予測。医師たちが今後、治療として今よりも安心して大麻を勧めるようになるだろうとも予想する。そうなれば最終的には、嗜好用大麻の合法化が進んでも“患者”数は増え続けるだろう。

「大麻市場の売上は、2016年には前年比30%増の63億ドル(約7,043億円)に、2020年までには250億ドル(約2.8兆円)に増えると予想している」とカーンズは報告書に書いている。今後カリフォルニア州などの新たな市場の登場が、大麻産業に大きな変化をもたらすと予想される。

編集=森 美歩

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