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2016.04.27

客足を増やすための「クーポン戦略」は、正しい選択なのか?

(Photo by Andrew Renneisen/Getty Images)

客足を取り戻すための努力を続ける米チポトレ・メキシカン・グリルでは、特定の言葉が頻繁に使われるようになった。「BOGO(Buy-One-Get-One、一つ買えばもう一つもらえる)」、「Freebie(フリービー、無料のブリトー)」、「ダイレクトメール」などだ。

米国内の各地の店舗で昨年発生した大腸菌などによる集団食中毒の影響で、同社は2016年第1四半期(1~3月期)決算で初めて、赤字計上を予想している。そのため、値引きと販促強化に特に注力しているところだ。

現在の戦略が奏功する気配はみえ始めている。今年2月に売上に回復傾向が出始めたところで、同社はブリトーを無料で提供するクーポンの配布を開始。ジャック・ハータン最高財務責任者(CFO)は、「無料のブリトーは効果的だった。客足は回復し始めた」と述べている。

チポトレはそれ以来、配布するクーポンの種類を増やしてきた。ゲームに参加するとフライドポテトやワカモレがもらえるものや、メインの料理を頼むと冷たいドリンクなどが無料でもらえるものだ。今年3月には、2,100万枚ものクーポンをメール送付の形で配布すると発表した。

調査会社コーエン&カンパニーによれば、クーポンを受け取った人はその後1か月の間におよそ4回、チポトレで食事をしたとみられている。もらっていない人たちの約3倍の頻度で、同社の店舗に足を運んだことになる。

チポトレはこうした努力を、客足を呼び戻すための重要な戦略と位置付けている。来店者数が期待するほど増えなければ、今後もこの方針を継続する可能性があるという。
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編集 = 木内涼子

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