中国で「eスポーツ」活況 アリババ、テンセントが相次ぎ参入

(Photo by Rob Stothard/Getty Images)


中国政府もeスポーツを振興

中国政府も企業を後押しする。若者への悪影響を懸念しテレビ放送を中止した2004年当時とは方針を一変し、国家体育総局はプロゲーマーの登録や評価を推進する方針を示した。興行証券は2015年は4,800万人だった中国のeスポーツ観戦者が、2017年までに1億4,800万人に膨らむと予測する。

華創証券のアナリスト、シエ・チェンは、「チケット販売、広告収入、そしてくじによって、5年後には黒字転換するだろう」と言い、YuuZooのトーマス・ジリアクス会長は、「今後2年間の競争で小さなプレイヤーは淘汰され、勝ち組がはっきりしてくる」と語った。

中国のeスポーツは、公平性への疑問やマネジメントの不備など、さまざまな問題がある。中国ではプレイヤーの大半は高校卒業後にプロチームに入り、毎日8~9時間の練習をする。あるeスポーツのチームマネジャーによると、トッププレイヤーが年間数百万元を稼ぐ一方で、新人の月収は2,500元(約4万2,000円)にとどまるという。

上海のeスポーツ関連会社のマーチン・チーCEOは、「テック企業は人々にeスポーツをきちんとした職業だと認識させる一方で、セーフティネットの整備を支援している」と説明する。しかし、その道のりは決して平たんではない。ジリアクスは「業界は対戦の仕組みやプレイヤーの待遇について整備しなければならない」と述べた。


編集=上田裕資

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