エアビーアンドビーが「脱民泊」宣言 旅行ガイド機能を始動

エアビーアンドビー共同創設者兼CEOのブライアン・チェスキー (Photo by Kimberly White/Getty Images for Fortune)

4月19日、エアビーアンドビー共同創設者兼CEOのブライアン・チェスキーは、アプリの新デザインの発表を行った。

新たに導入される機能は、今後の同社の壮大なプランを暗示している。企業価値 250 億ドル(約2兆7,400億円)のエアビーアンドビーは、宿泊地の近隣ガイド機能を導入し、旅行者の体験の全てに関わろうしている。

チェスキーは約20分間のプレゼンで、両親の最近のパリ旅行の模様をスライドで見せた。最前列で彼の母親が声を立てて笑う中、チェスキーは両親の選んだいかにも観光客向けの観光地や飲食店(そこにはサブウェイも含まれていた)をからかった。

世界350万件のローカル情報を提供

エアビーアンドビーの新機能は、世界25都市のおすすめスポットを350万件収録し、ガイドブック的な役割を果たす。エアビーアンドビーの利用者は今年に入り1500万人を超えているが、この機能により、旅行先の見どころやレストランを探す際にもエアビーアンドビーが活用できる。この動きはイェルプ(Yelp)やトリップアドバイザー、グーグルマップなどから利益の一部を奪うことになるかもしれない。

チェスキーはプレゼンで、エアビーアンドビーによる「パリのおすすめトップ5」 がトリップアドバイザーよりも優れていることを強調した。エアビーアンドビーのホストらは、現地に住む者の視点から、旅行者に有用な情報を提供する。混雑を避けたい旅行者らに、抜け道を教えたり、地元の人しか知らないスポットを推薦することも出来る。この理念は同社の新しい広告キャンペーンの文言に集約されている。「行くのではなく、暮らすのです(Don’t Go There. Live there.)」

エアビーアンドビーが目指すのは、同社のビジネスをホスピタリティー・ビジネス全般に拡大することだ。単なるリコメンドを超えて、旅行に関わる他の分野にも拡大していく。旅先での決済や広告ビジネス、さらにはコンサートのチケット購入、レストランの予約、博物館での優先入場なども考えられる。

チェスキーはプレゼンテーションの最後で、11月の新プロジェクト「オープン・ロサンゼルス」について、軽くふれた。彼は「エアビーアンドビーが宿泊というカテゴリーを飛び出したら、何が起こると思いますか」と観客らに問いかけた。

編集=上田裕資

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