次世代リーダーは、なぜ「哲学」に注目するのか?

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Q:高校時代、テニス部の部長になり苦い経験をされたことで、心理学に興味をもたれたと伺いました。ですが、11年に「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げ、14年には世界で最も権威あるデジタルメディアのコンペティション「アルス・エレクトロニカ賞」で最優秀賞にあたる「ゴールデン・ニカ」を受賞されるまでになりました。リーダーとしてのあり方は変わりましたか。

西條:テニス部の部長のときは、前例を疑うことを知らず、厳しくやればやるほどよいと思っていたダメなリーダーでした。

プロジェクトを立ち上げたときはすでに構造構成主義の考え方が身についていました。やり方はどんどん変えていい、変わって当たり前なんだ。そうとらえられているかどうか、なんですね。

西條剛央◎早稲田大学大学院商学研究科MBAコース客員准教授。専門は組織心理学、哲学。2011年4月に「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げ、ボランティア未経験ながら約3,000人を擁する日本最大級の総合支援プロジェクトへと成長させる。「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」を受賞。近著に『チームの力』(筑摩書房刊)。

■「哲学」に力を入れているビジネススクール

ウェイクフォレスト大学ビジネススクール:2014年に「なぜ、資本主義?」という講座を開設。19世紀の経済学者フレデリック・バスティアの『見えるものと見えないもの』などを読む。

コペンハーゲンビジネススクール:2007年に「組織哲学」という講座を開設するなど、早い段階から哲学に注目。ジークムント・バウマン『近代とホロコースト』などを読む。

ロンドン・ビジネス・スクール:2014年に「ノーベル・シンキング」という講座を開設。ノーベル賞受賞者の意思決定や経済理論などを学ぶ。

古谷ゆう子 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.21 2016年4月号(2016/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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