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2016.04.19

未来の金融を担うプレーヤー!「フィンテック注目株50」後編

[左から]Chris Larsen リップル創業者、Wences Casares ザポ共同創業者、Douglas Merrill ゼスト・ファイナンス創業者 (photograph by Christian Peacock)

いま、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語、「Fintech(フィンテック)がバズワードになっている。未来の金融を担うプレイヤー50社のうち45社を、前後編にわたって紹介する。

前編はこちら

http://forbesjapan.com/articles/detail/11855

Fundera(ファンデラ)
小規模事業者向けのローンについて、貸し手28社の条件等を比較できるサイトを運営。ユーザー数は1,700、総額8,500万ドルを融資している。小規模事業者向けの高利のローンを提供している既存の事業者や、わかりにくい条件で貸付をしている事業者には脅威となる。
拠点:ニューヨーク
共同創業者&CEO:Jared Hecht
資金調達:Khosla Ventures、First Round Capital、QED Investorsなどから1,500万ドル

Money.Net(マネー・ドット・ネット)
リアルタイムのマーケットデータや、ニュースなどを、ユーザー1人当たり月額95ドルで提供する株式情報プロバイダー。アメリカ国内の大手銀行9行のうち、6行が採用している。同社のCEOはブルームバーグの出身で、ブルームバーグが強みとしてきた金融情報サービスを脅かす存在となっている。
拠点:ニューヨーク
CEO:Morgan Downey(42)
資金調達:非公表

Prosper(プロスパー)
P2Pのレンディング向けマーケットプレイスを運営。2,000〜3万5,000ドルの無担保ローンを、5.99〜36%の固定金利で提供している。2005年に起業後、法規制をめぐり08年に米国証券取引委員会から業務停止命令を受けた経緯がある。
拠点:サンフランシスコ
CEO:Aaron Vermut
資金調達:Breyer Capital、Neuberger Berman、Sequoia Capital、QED Investorsから3億6,000万ドルを調達

Fundrise(ファンドライズ)
ワシントンD.C.を拠点とするスタートアップで、不動産のクラウドファンディングサイトを運営。不動産業界のビッグプレイヤーと強固な関係を築いているのが強み。
拠点:ワシントンD.C.
共同創業者&CEO:Ben Miller(39)。ワシントンD.C.の資産家一族の出身
資金調達:人人网、Guggenheim Partners、Silverstein PropertiesのMarty Burger CEO、Ackman-ZiffのプレジデントSimon Ziffから3,500万ドルを調達

Nav(NAV)
小規模事業主に対して、事業者としての与信スコアと、個人の与信スコアの両方を提供する。事業者としての与信スコアを高めるためのアドバイスを提供しているほか、36の貸し手36社によるスコアを比較できるのが特徴。2015年に従来のサービス名称CrediteraからNavに名称変更した。
拠点:カリフォルニア州サンマテオ
創業者&CEO:Levi King
資金調達:Kleiner Perkins Caufield & Byers、Peak Venturesなどから650万ドルを調達

Quantopian(クワントピアン)
ヘッジファンドに対するクラウドソーシングサービス。アルゴリズムによって金融アナリスト業務が不要になるプラットフォームを提供。開発者には物理学者や科学者が名を連ねる。ヘッジファンド側が、あるアルゴリズムを利用すると、開発者にお金が入る仕組み。
拠点:ボストン
創業者&CEO:John Fawcett(38)
資金調達:Bessemer Venture Partners、Spark Capital、Khosla Venturesから2,380万ドルを調達

Hello Wallet(ハロー・ウォレット)
2009年に設立された米国の個人資産管理サービス(PFM)。米国ではクレジットカードの支払いや学費のローンなど、個人資産のやりくりが課題となっており、このサービスは企業の福利厚生として導入されている。個人向けの株式情報に強いモーニングスターに買収された。
拠点:ワシントンD.C.
創業者&CEO:Matt Fellowes
資金調達:Rockefeller Foundationから100万ドル、その他にもAOL創業者のSteve Case、Grotechなどから調達

Personal Capital(パーソナル・キャピタル)
元PayPalのCEOだったBill Harrisが創業したスタートアップ。住宅ローンや退職基金など複雑な個人資産を管理するためのダッシュボードを提供。ロボ・アドバイザーを活用しつつ、人からもアドバイスをうけられるハイブリッドなサービスが特徴。
拠点:カリフォルニア州レッドウッドシティ
創業者&CEO:Bill Harris(59)
資金調達:Blackrock、BBVA Ventures、USAAから1億400万ドルを調達

Ripple(リップル)
Prosperの共同創業者が立ち上げたスタートアップ。銀行に対して、あらゆる通貨でリアルタイムに送金できるサービスを提供。国際送金サービスのアースポートや、ドイツのフィドラーバンク、クロスリバー銀行、CBW銀行などが同社のプロトコルを導入。
拠点:サンフランシスコ
創業者&CEO:Chris Larsen(55)
資金調達:Andreessen Horowitz、Google Venturesなどから3,840万ドルを調達。

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ジャネット・ノヴァク、マット・シフリン = 構成 サマンサ・シャルフ、ローラ・シン、ローレン・ゲンスラー、マギー・マクグラス = 取材 クリスチャン・ピーコック = 写真 松岡智美 = 翻訳

この記事は 「Forbes JAPAN No.21 2016年4月号(2016/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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