そのキャラクターとは、テレビ番組「セサミストリート」に登場するクッキーモンスターだ。この動画は現在960万再生を突破しており、アップルはiPhone SEの販売面でもマペットの魔法の力を得られることを期待している。続編の動画も150万再生を超えており、今後さらに注目を集めそうだ。
筆者にとって興味深いのは、アップルがこれまでよりも大衆向けのアプローチをプロモーションに採用したことだ。今回のCM動画はいわゆるアップル信者やギーク層に属さない人々へのアピールを狙っている。アップル製品の中で下位機種に位置づけられるiPhone SEは、ハイエンド端末を購入する意思のない利用者をターゲットにしている。
クッキーモンスターの起用とiPhone SEの発売が重なったのは偶然ではない。SEがターゲットとする層にはスペックを売りにした販売はできないとの判断があったのだ。SEには従来のアップルの端末のような販売ピークが無く、年間を通じ安定した売上を達成することが求められる。そのためには、定期的なマーケティングが求められる。
従来よりも「一般受け」を狙うアップルのプロモーションは今後も続いて行くだろう。