モバイル重視のアンダーアーマー
ライフスタイルとしてのフィットネスはミレニアル世代にとても人気が高く、アマチュアもプロもそのためのウェアラブル機器や衣料品、アプリには喜んで金を払う。
そんな中、アンダーアーマーは2013年11月にフィットネス記録アプリMapMyFitnessを1億5,000万ドル(約164億円)で買収。さらに2015年にはカロリー管理アプリMyFitnessPalを4億7,500万ドル(約520億円)で、ヨーロッパ発のフィットネスアプリEndomondoを8,500万ドル(約93億円)で買収した。
これらのアプリの月間ユーザー数は6,200万人にのぼり、アプリ買収によって同社は、販売促進や製品開発に役立てることのできる膨大なデータにアクセスが可能となった。同時にこれは、アンダーアーマーのブランドがテック通でフィットネス好きのミレニアル世代に深く根差すことも意味する。
同社のケビン・プランクCEOは、モバイル機器を取り巻く環境に投資を行ったことで、同社はミレニアル世代のコミュニティーの中に定着しつつあり、モバイル機器を通じた売上は年々増加しているとしている。
製品と価格で群を抜くフォーエバー21
ミレニアル世代の中でも若い年代の女性たちは、価格に敏感な一方で流行も取り入れたいと考えている。これがファストファッションを支える大きな原動力であり、中でもフォーエバー21はそうした買い物客を引きつけている大手の一つだ。経験(特にセルフィーが撮れる経験)重視のミレニアル世代にとって、衣料品はその経験を彩る一部にすぎず、消耗品でも構わない。駄目になっても、安ければまた買うことができるからだ。
一方でフォーエバー21は、より幅広い体形に合う服や、より大人っぽいラインも展開している。この販売戦略が、ミレニアル世代の中でも上の世代の女性たちの取り込みに大きな効果を発揮し、年齢を重ねたかつてのターゲット層を失うことなく、さらに関係を発展させている。
アンダーアーマーとフォーエバー21の成功のカギを握るのは、モバイルの活用とスマートな製品、そして価格戦略だ。ミレニアル世代が米国の主力消費者グループとなっていく中、小売各社が長期的成功をするためにこの分野でどのような努力を行っているのか、投資家たちは注目していく必要がある。