アメリカとカナダでの興行収入は111億ドル(約1兆2,000億円)で前年比8%増となった。アメリカで『ジュラシック・ワールド』が6億5,200万ドル(約712億円)、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が4億5,900万ドル(約500億円)、『インサイド・ヘッド』が3億5,600万ドル(約390億円)を記録したことが寄与している。
米国では10代の観客数が増加、SNSの影響も
アメリカでの興行収入を押し上げたのがティーンエイジャーだ。ジェネレーションZと呼ばれる12~17歳が1年で7.3回と最も映画館に足を運んだ。これは前年と比べて1回増えており大幅な増加だ。次に多かったのが18~24歳のミレニアル世代で5.9回だった。
MPAAのクリス・ドッド会長兼CEOはラスベガスで開催された全米劇場所有者協会(NATO)主催のコンベンション、シネマコンで「テクノロジーに親しんでいる人々が映画館により足を運んでいます。若者たちの方が情報を共有しているのです」と語った。
アメリカではチケット購入者の8%がティーンエイジャーで、劇場で観た作品についてSNSで共有している。これを受け、今後はデジタル・マーケティングやより革新的な宣伝方法に資金が投入されると見られる(『エクス・マキナ』では、登場するAIの名前で出会い系アプリTinderのアカウントを作り、ユーザーたちと会話させるというユニークなプロモーションが行われた)。
中国は前年比50%増 来年には米国市場を突破
全世界で見ると、興行収入が最も伸びたのがアジア太平洋地域で13%増だった。中国だけで49%増の68億ドル(約7,430億円)で、アメリカの興行収入を2017年には超えると見られる。
ドッド会長は「アメリカ以外の国々は全世界の興行収入の4分の3近くを占めており、重要性は今後も増していきます」と語った。