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2016.04.17

空飛ぶサロン4,800万円[小山薫堂の妄想浪費 vol.9]

飛行機は飲食もできるし、ひとつ屋根の下的な連帯感も強いし、中身の濃いミーティングができるはず! (illustration by Yusuke Saito)


魅力ある人を集めて空で会議

そういえば以前このエッセイで書いた「ぐるなび」主催・日本最大級の料理コンペティション「RED U-35」も、数回続くなかでサロン的役割を持ちはじめた。最終選考に残ったシェフたちが大会後も連絡を取り合って交流を深めたり、最終選考前の直接顔を合わせなかったシェフ同士もSNS上でつながったりしているのだ。サロンが成り立つには、場の持続性以上に、集まった人の魅力度合が大きいのかもしれない。

ところで僕がいまサロンに最適な場だと思うのは飛行機である。飛んでいる間に、何かを学んだり、考えたり、集中して話し合える。講師を呼んで、席に付属のテレビ画面を使ってセミナーも開催できる。もちろん、美味しい食事とお酒も出るから、互いの親密度や連帯感はさらに高まるだろう。

たとえば地方創生をテーマに、月に1回「地方創生ジェット」を飛ばすというのはどうだろう。行き先はまさしく地方創生の舞台となる場所で、搭乗中に問題点や解決策を話し合う。名付けて「ジャパン・スカイ・ミーティング」。場所にもよるけれど、日本国内で往復正規のチケット代が8万円として、50人で400万円。年12回で4,800万円。JALのボンバルディアCRJ200は席数50人というから、この飛行機がいちばん好きだったというJAL初"パイロット出身の社長”、植木義晴氏にここはご尽力いただきたい。選ばれし50人が良い仕事をして、JALも好感度アップ間違いないと思います。

小山薫堂◎1964年、熊本県生まれ。放送作家・脚本家として『世界遺産』『料理の鉄人』『おくりびと』などを手がける。エッセイ、作詞などの執筆活動の他、京都市や熊本県など地方創生の企画にも携わっている。

イラストレーション=サイトウユウスケ

この記事は 「Forbes JAPAN No.21 2016年4月号(2016/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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小山薫堂の妄想浪費

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