納車前に欧州で実施した強度テストの結果、3列目の座席シートが外れる不具合が発生する可能性があるため、交換が必要だという。この問題に関連した事故などは起きていない。
リコール対象の2,700台は 3月26日以前に製造されたもので、主に2016年第1四半期(1~3月期)に販売した2,400台が含まれる。同社によると、今後のモデルX生産のペースに影響は出ないという。
テスラがリコールを実施するのは今回が初めてではない。昨年11月には、前部座席のシートベルトについて確認が必要だとして、「モデルS」9万台をリコールすると発表した。同社はこのとき、発生する費用はシートベルトを製造したサプライヤーのフューチュリス(Futuris)が負担すると説明。同社の生産体制が抱える課題の一端を明らかにした。
先ごろ発表した「モデルS」の予約台数が32万5,000台を超えたテスラは現在、生産能力の増強を図っている。ただ、今回のリコールは座席部分の製造でサプライヤーとの垂直統合を進める同社が直面する構造的な問題を改めて露呈させたともいえる。その他の部品などについても同様の体制を目指す同社が今後、この問題にどう対応するかについても注目される。
株価への影響は
テスラ株は4月11日の前場で約9ドル(約972円)上昇。250ドル(約2万7,000円)前後で推移した。今年2月10日以降73%急騰したが、4月6日に265.42ドルをつけて以降は、6%近く下げている。