グーグルの広告収益を奪う可能性も
果たしてフェイスブックはメッセンジャーからどのように収益を得ようとしているのか。有力な手段と目されるのが、ビジネスアカウントから広告費を徴収するビジネスモデルだ。ニュースサイトのThe Informationやビジネス・インサイダーのリポートによると、メッセンジャーの内部プログラムには既に「お薦めのビジネス(suggested businesses)」といったコードが埋め込まれている。
これは、グーグルの検索広告と同様なビジネスモデルであり、時間をかけてフェイスブックはグーグルからシェアを奪おうと考えているのかもしれない。
開発者の話によると、フェイスブックはビジネスアカウントからの広告メッセージの送信への課金も検討中という。しかし、この試みはメッセンジャーがスパムで溢れてしまうという懸念も浮上させる。スパムボットの存在は既にKikメッセンジャーでも問題になりつつある。ユーザーらが公式アカウントのメッセージを迷惑だと感じるようになれば、利用者離れを引き起こすことにもつながる。
「ボットが顧客との会話を始めることは、同時にスパムボットを増殖させることにもつながります」と前出のGupshup社関係者も述べている。
いずれにせよ、ボット事業の開始はフェイスブックにとって大きなチャレンジだ。ボットは多くの米国人が慣れ親しんだ、フリーダイヤルを通じたカスタマーサービスに置き換わる存在となり、新たな広告ビジネスの幕開けを告げるものになる。
フェイスブックのデビット・マーカスは先週、メッセンジャーのMAU(月間アクティブユーザー数)が9億人を突破したと発表した。同社は全く新しいツールを用い、新たな領域へのチャレンジを始動することになる。間もなく発表されるこのプロジェクトが、一体どういうものになるのか。F8カンファレンスは米国時間4月12日午前10時(日本時間4月13日午前2時)にスタートする。