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2016.04.12

「世界のフィンテック50社」 融資・オンライン決済部門2社

[左]Sofiの創業者Mike Cagney[右]Stripeの創業者Patrick Collison (photograph by Christian Peacock)

いま、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語、「Fintech(フィンテック)」がバズワードになっている。フォーブスが選んだ50社のうち、融資や決済を変える2社を紹介する。



エリート学生のためのオンライン融資サイト

Sofi(ソフィ)
高所得・高学歴の若年層を対象に、ローンの借り換え、個人ローンや抵当権付き住宅ローンを提供。60億ドル相当の貸付を実施している。

拠点:サンフランシスコ
共同創業者&CEO:Mike Cagney(44)
資金調達:Softbank、Third Point Ventures、Peter Thiel、Baseline Ventures、人人網から14億ドル
企業価値:40億ドル
脅威を与える対象:既存の融資機関

SoFiの創業者Mike Cagneyは、スタンフォード大学経営大学院の「起業家ガレージ」というクラスで起業のヒントを得た。彼と3人の同級生が「社会的な融資(Social Finance: 略してSoFi)」という構想を思いついたのが始まりだ。社会に出て成功した先輩たちが、母校の新卒者に対し、政府の学生ローンより低いレートで貸し出すというものだ。同社は現在、抵当権付き住宅ローンや個人ローンにも進出。オンライン融資業界で、レンディング・クラブに次ぐ2位にランキングしている。



ウェブの決済支える共通のプラットフォームを提供

Stripe(ストライプ)
オンライン決済システムを提供。使いやすいユーザー・インターフェースを強みとするアプリ内決済プラットフォーム。

拠点:サンフランシスコ
共同創業者&CEO:Patrick Collison(27)
資金調達:Sequoia Capital、Andreessen Horowitzと、PayPal共同設立者であるPeter Thiel、Max Levchin、Elon Muskから3億ドル
企業価値:50億ドル(2015年7月現在)
脅威を与える対象:PayPal、既存のクレジットカード関連業種

兄Patrick、弟JohnのCollison 兄弟が共同で設立したStripeは、ウェブやアプリケーションに簡単に組み込める共通の決済プラットフォームを提供している。Stripeのおかげで小規模小売店でも、Apple PayやアリババのAlipayでの支払いを受けつけることができるようになった。TwitterやFacebook、Pinterestに設置される購入ボタンにも活用されている。同社は今、アメリカの非公開フィンテック企業の中で最も価値の高い企業として注目されている。

ジャネット・ノヴァク、マット・シフリン = 構成 サマンサ・シャルフ、ローラ・シン、ローレン・ゲンスラー、マギー・マクグラス = 取材 松岡智美 = 翻訳

この記事は 「Forbes JAPAN No.21 2016年4月号(2016/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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