元人民解放軍のレン・ジョンフェイ(任正非)が設立したファーウェイは、ハイエンド端末を展開し、高級ブランドへの転換を図っている。同社はハイエンドラインに独自チップを使い、マーケット参入のタイミングとスマホのパフォーマンスを最適化させている。
調査会社Canalysのリサーチディレクター、ニコル・ポンは「シャオミ(小米)のMi5はクアルコムのチップの搭載に関する問題で発売が遅れた。発売の遅れはマーケット戦略を大きく狂わせる」と語る。
カメラに「ライカ」製レンズ投入、683ドル
ファーウェイの技術力は、スーパーマンを演じた俳優ヘンリー・カヴィルを起用した派手なキャンペーンと相まって、今はアップルとサムスンに独占されている中高級セグメントへの浸透の助けとなるだろう。ファーウェイの最新機種P9は5.2インチの画面にドイツの高級カメラメーカー「ライカ」が開発したデュアルレンズカメラを搭載する。
アップルのiPhoneは毎日充電が必要だが、P9のバッテリーは数日間の使用に耐え、端末価格は683ドル(約7万4,000円)からとなっている。
テック関連の調査会社Forresterのアナリスト、クレメント・テオは「かつてファーウェイと聞いてハイエンド製品を連想する人はいなかったが、Pシリーズの投入によってハイエンドブランドとしての足場を固めつつある」と述べた。
昨年、ファーウェイのスマホ出荷台数1億800万台のうち3分の1は300ドル以上(約3万3,000円)のハイエンド端末だった。その比率は2014年の18%(出荷台数は7,500万台)から急伸し、スマホ、スマートウォッチを含む消費者ビジネスユニットの昨年の売上高は73%増加の200億ドル(約2兆1,700億円)となった。