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2016.04.11

B・スプリングスティーンがLGBT差別抗議 コンサート中止

ブルース・スプリングスティーン (Photo by Jamie McCarthy/Getty Images)

米ノースカロライナ州で3月23日、LGBT差別法「HB2」法が成立した。これに抗議する形で、ロック歌手、ブルース・スプリングスティーンが、4月10日に同州グリーンズボロ・コロシアムで予定していたコンサートを中止した。スプリングスティーンは、自身のウェブサイトに以下の様なメッセージを投稿した。

世の中にはロック・コンサートより重要なことがある

ファンの皆様はご承知だと思いますが、私は、日曜日(4月10日)にノースカロライナ州グリーンズボロでコンサートを開催することになっています。ご存知の様に、ノースカロライナ州では、先日、メディアが「トイレ法」と呼ぶHB2法が可決されました。HB2の正式名称「the Public Facilities Privacy and Security Act(公共施設のプライバシーと安全法)」は、トランスジェンダーの人々が使用するトイレを定める法律です。また、この法律はLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)に該当する市民が、職場で人権を侵害された場合に訴訟を起こす権利も妨げるものです。

ノースカロライナ州で、これほどまでの(精神的)負担を負わされる集団は他に存在しません。これは、私から見れば、すべての国民の人権を認めてこの国が進歩してきたことに我慢ならない人々が、その進歩を覆そうとする試みに他なりません。現在、ノースカロライナ州では、数多くの企業やグループが、こうしたネガティブな方向への変化に反対し、これを克服しようと努力しています。

この様な現状を受け、私とEストリート・バンドは、今こそ自由のために戦う人々への連帯感を示すべき時だと感じています。従って、グリーンズボロのコンサートを楽しみに待ってくださったファンの皆様には心から申し訳なく思いますが、私たちは、4月10日(日)に予定されていたコンサートの中止を決定しました。世の中にはロック・コンサートより重要なことがあります。私がこの文を書いている間にも起きている差別や偏見と闘うことも、そのひとつだと考えます。進歩を後押しせず、後退させようとし続ける勢力に対し抗議するためには、これが私に与えられた最強の手段なのです。
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編集=上田裕資

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