ウィルクとジェシーの2名は既にこの部門のリーダーを務めており、アマゾンは「今回の人事は組織再編というよりはむしろ、彼らが果たしてきた仕事に対する評価だ」と説明している。リンクトインのプロフィール情報によると、ジェシーは2003年からアマゾンに勤務。ウィルクは16年以上同社に在籍している。
「マーケットプレイス、プライム、そしてAWSは大きな賭けだったが実績をあげ、会社にとって3本の大きな柱に成長した」とアマゾンはブログで述べた。「会社が成長を遂げたなかで、それらの部門のリーダーの肩書を変更することは理にかなっていると判断した」
ジェフ・ベゾスは「後継者選び」を進めている
今回の動きはアマゾンが密かに進めている、「後継者選び」に関わるものであることは容易に想像がつく。2014年12月、CEOのジェフ・ベゾスはカンファレンスの場で、アマゾンが後継者選びを進めていると発言したが、その内容は「秘密だ」としていた。同社の広報担当者はフォーブスの取材に対し、「詳細についての言及は避けたいが、弊社の取締役会は少なくとも年に一度、後継人事について話し合っている」と述べた。
1994年にアマゾンを設立したベゾスは近年、オンラインストア以外の業務に多大な時間を割いている。ここ数ヶ月では、宇宙ツアー企業Blue Originの再利用ロケットの打ち上げと着陸を監督した一方、2013年に2億5000万ドル(約270億円)で買収したワシントン・ポストのオーナーとして人前に立つことも度々だ。
先日、株主向けに公開した書簡の中でベゾスは、彼が三本の柱とみなすビジネスで会社が成長を遂げたことを称賛した。マーケットプレイスとプライムはウィルクの指揮下であり、AWSはジェシーの配下の事業だ。AWSに関してベゾスは「売上100億ドル(約1兆円)に向けて順調に成長しており、100万人のアクティブユーザーを獲得している」と述べていた。