アイガーCEOは強固なリーダーシップをふるい、企業価値1590億ドル(約17兆円)のディズニー社を率いてきた。直近では「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の成功により、2016年第一四半期に29億ドル(3170億円)の利益を計上した。
スタッグスCOOの退任はアイガーCEOに代わり、誰が世界最大のエンターテインメント企業を率いるのかという疑問を浮上させた。後継者候補だった前CFOのジェイ・ラスロと、前テレビ部門副代表のアン・スウィニーは昨年、同社を去っている。
ルーカスフィルム代表の名も浮上
後継者候補には「スター・ウォーズ」を成功させたルーカスフィルム代表、キャスリーン・ケネディ(62)の名も挙がっているが、望みは薄い。キャスリーンにはクリエイティブ力はあるが、多国籍企業を率いた経験は無く、株主を説得するのは難しい。
ディズニーは今回のアナウンスで「後任者の選定にあたっては、広範な基準で候補者を選び出す」と述べた。
“候補者”とは一体誰なのか? 業界筋からはニューズ・コーポレーションの元社長でテレビ制作会社Chernin GroupのCEO、ピーター・チャーニン(Peter Chernin)の名も挙がるが、ハリウッドリポーターの報道では64歳のチャーニンは、興味を示していないという。
もう一人の候補者は元ディレクTVのCEOで、現在フォックスのナンバー2であるチェイス・キャリーだが、ルパード・マードックとの関わりの深い彼が、ディズニーに参加することも期待薄だ。
大胆な予測としてはフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグの名も挙がっている。彼女は2010年からディズニーの取締役会に加わっており、エンターテインメント業界での経験は浅いが、テック業界のキャリアはディズニーに大きな価値をもたらすと考えられる。現在46歳のシェリルは他のどの候補よりも10歳以上若い。
ディズニーはボブ・アイガーCEOの任期を延長する可能性もある。しかし、アイガーは現在65歳。任期を延長するとしても暫定的な措置にとどまるだろう。