元GSバンカーが語る世界のゴルフ場、「ミュアフィールド」の誘惑

getty images (David Cannon)


余談だが、私たちはお土産、記念グッズが大好きだ。しかし、これも特徴のひとつだが、ミュアフィールドには土産物を販売するいわゆるプロショップはない。クラブハウスの中では、食事をする際のテーブルマットとクラブの写真が買えるだけだ。

これでは我慢できないので、私たちは隣接するガレイン・ゴルフ・クラブに買い物のために足を運ぶことにしている。ここのプロショップで水を得た魚のように、私たちはセーターやウェア、傘などお買い得商品を探して買いまくるので、いつも呆れられると同時に感謝もされるという次第だ。

宿のことにも触れておきたい。ミュアフィールドに心底惚れた私たちは、その後数回訪問しプレイを楽しんでいるが、定宿は近郊にあるお城のようなKaimend Innというホテルだ。

スーターさん夫妻が、お子さんが巣立ったあと、2階部分を改装して貸し出されているのだが、その部屋からは名門のノース・バーウィック・ゴルフ・クラブを目の前に見渡せる。またご主人のスーター氏がミュアフィールドの会員だということもあり、多くのホテルを泊り歩いてきたなかで、ここが一番居心地のよい宿だ。

ミュアフィールドでのプレイのあと、この宿のテラスで海とゴルフコースを眺めながらシャンパンなどを飲んでいるとまさに天国にいるような気分になる。書いているそのそばからまた行きたくなってくるからもう病気であろう。ミュアフィールドの誘惑には一生勝てそうにない。

世界最古のゴルフルール13カ条

セント・アンドリュースとミュアフィールド。フォース湾を挟み対岸に位置するこの二つの名門ゴルフ場は、全英の開催数でも1、2位を誇るよきライバルだ。ルールの起源を巡っても同様で、長い間、1754年に制定された「セント・アンドリュースの13カ条」が起源とされてきたが、1937年、1744年の倶楽部組織発足時に制定された13カ条が発見され、ミュアフィールドに軍配が上がった

こいずみ・やすろう◎FiNC代表取締役CSO/CFO。東京大学経済学部卒。日本興業銀行、ゴールドマン・サックス で計28年活躍。現役中から、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢・発起人、TABLE FOR TWO Internationalのアドバイザーなど社会貢献活動にも参加。お金のデザイン社外取締役、WHILL、FC今治のアドバイザー。

小泉泰郎 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.21 2016年4月号(2016/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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