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テクノからチャート、その他の音楽業界に関する執筆を担当。

Spotify共同創業者でCEOのダニエル・エク (Photo by Taylor Hill/FilmMagic)

Spotifyがまたもや巨額の資金調達を行った。3月29日、ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、ストリーミングサービスとして名を馳せる同社は10億ドル(約1120億円)をデット・ファイナンス(負債として計上される借入金)で調達し、今後の競争の激化に備える。

同社は数ヶ月前に「5億ドル規模の資金調達を計画中」と伝えられたが、その2倍の金額を調達できたことは、このスウェーデン発のスタートアップ企業への期待値がいかに高いかを示している。同社のサクセス・ストーリーの一端を担いたいと望む勢力が、それだけ多いのだ。

最大で年利10%を支払う可能性も

今回の資金調達元はウーバーやエアビーアンドビーを支援するTPGと、SpaceX等を支援するDragoneer。出資にあたりこの2社は、Spotifyが1年以内にIPOを果たした場合、Spotify株を20%のディスカウント価格で受け取る。また、Spotifyは2社に年利5%を支払うとされている。利子は6ヶ月ごとに1%上昇し、Spotifyが上場するか、利子が10%に達するまで利率があがる仕組みだ。

これはSpotifyにとって大きな賭けとなるかもしれないが、業界の覇権を狙う同社にとって資金の確保は重要だ。Spotifyは課金ユーザーの多さで優位に立っており、毎月数百万人の新規ユーザーを獲得している。3月上旬、同社の共同創業者でCEOのダニエル・エク(Daniel Ek)はSpotifyの課金ユーザーは3000万人に達しており、急激に成長していると述べた。

しかしながら、今回の厳しい条件付きの資金調達はSpotifyの運営が困難に直面していることを物語る。同社は収益化に苦戦しており、ストリーミング業界で最大の規模を誇るものの赤字の状態だ。その一方、Pandoraやアップルミュージックといった大手や、Tidalや Rhapsody, SoundCloud等の追撃が始まってる。

10億ドルという資金を用い、Spotifyは何を企んでいるのか。新たな買収やグローバル展開の加速等も予想される。

同社は今回の資金調達以前に、既に10億ドル以上の資金を調達していた。出資やファンド、さらには借金という形で20億ドル以上をかき集めながら、Spotifyはさらに前に進もうとしているのだ。

しかし、利子の支払いやIPOに向けたプレッシャーが同社のサービスを駄目にしてしまわないことを筆者は願いたい。

編集=上田裕資

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