この機能は本日からKLM.comでチケットを購入した全てのユーザーが利用可能だ。フェイスブックは今後、同様な仕組みを他の航空会社にも広げていきたいとしている。
12言語に対応。チャットでの搭乗予約も
フェイスブックは既にパーソナルアシスタント機能「M」をリリースし、ビジネス向けの顧客サポートや決済機能を強化。ウーバーやリフトがこれを導入してきた。メッセンジャーアプリが航空会社のサービスに適用されるのは今回が初めてだ。
フェイスブックの製品担当副社長のデビッド・マーカスは次のように述べた。
「空の旅の煩雑な手間やストレスを取り除きたい。これは私自身の願いでもありました。メッセンジャーは人々が会話を行う上で最適なツールであり、最近はビジネス利用も進んでいます。KLMの顧客のみなさんは、慣れ親しんだメッセンジャーを用い、便利で快適な空の旅を楽しむことができます」
マーカスによると米国では航空機の搭乗者の80%がメッセンジャーアプリを利用している。KLMはメッセンジャー上のサポートをライブチャットにも適用し、直前の搭乗予約や、予約に関する質問に回答するという。ライブチャット用に200人のスタッフを用意し、12以上の言語に対応する。
メッセンジャーをカスタマーサービスに導入した企業は、小売業界では他にウォルマートや Everlane、ホテルチェーンのハイアットが挙げられる。
KLMの CEO、ピーター・エルベルス(Pieter Elbers)によると、昨年から同社のフェイスブックページでメッセンジャーでの顧客サポートを開始したところ、 利用者が約40%増加し、その重要性に気づいたという。
「メッセンジャーとKLMのサービスは良い組み合わせです。弊社の顧客のみなさんはメッセンジャーのようなプライベートなツールで、サポートを受けることを好みます」とエルベルスは述べた。
メッセンジャーの月間アクティブユーザーは現在約8億人。今回の動きは中国のWeChat、日本のLINE、韓国のカカオトークといったアジアの有名アプリの動きに追随するものだ。それらのアプリは医師やレストランの予約、アプリ内からの様々な買い物やゲームにも対応している。
今回のパートナーシップはフェイスブック、KLMの両社に利益をもたらす。フェイスブックはメッセンジャー経由のサービス拡大を目論んでおり、交通分野への進出は重要な意味を持つ。KLMにとっても、8億人のメッセンジャーのユーザーを潜在顧客と出来ることは大きなメリットだ。
フェイスブックは2011年にメッセンジャーサービスを立ち上げ、2014年に単体のアプリとして独立させた。
KLMはこのサービスの利用を促進するため、4月20日までの期間中、メッセンジャーアプリを利用して搭乗した顧客らに、ペアの往復航空券が当たるキャンペーンを実施する。