アメリカで成功しているイノベーターは、20代のハーバード大学のドロップアウト組というより、思ったより年長で、高学歴で、移民の経歴があり、通常それぞれの分野で何十年も苦労してきた人たちだったというのである。
情報技術イノベーション財団(ITIF)が発表したこの調査は、重要なアワードを受賞したか、もしくは国際特許に申請を行った個人923人からの回答を分析して得られたものだ(質問票は6.418人に送付された)。これによると、3分の1以上の回答者が米国外で生まれており、イノベーションを作りあげたときの年齢の中央値は47歳だった。
ITIF代表で、この研究の共著者でもあるロバート・アトキンソンは「大学を中退した人たちが20代でめざましい成果をあげているというイメージは、標準的なものであるとはいえない」と語り、中退どころかイノベーターのおよそ60%が、科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で博士号を持っていることを指摘している。
今回の研究により、アメリカのイノベーターはむしろ、高い学位を持った移民者で、大企業に長年勤務している人であることが明らかになった。「イノベーションを生み出すためには、知識の蓄積と、長い実務経験が必要だということだ」とアトキンソンは述べている。