ビジネス

2016.05.20

トップは常に常識を疑い、挑戦し続けなければダメになる

リビタの内山博文 常務取締役(photograph by shuji goto)


既存の不動産価値を疑ってかかる新しい目

“その先に世の中の為になることがあるんだから、困難を乗り越えられないはずがない”というのが僕の信条。長いものに巻かれるよりも、正しい道を突き進んで、それで壁があるなら乗り越えればいい。社員にもよく言うんですが、そこで諦めるのは凡人で、やりたいことを実現するためには、どうしたらその壁を乗り越えられるか考え続けることが大切なんですよね。それが、イノベーションを起こすということだと思います。

もちろん新しくつくったものを売るのが不動産業の仕事という常識は根強くありました。でもそれを疑ったんですよ。それが既存の不動産に新たな価値の息吹を与える、わが社のリノベーションの仕組みにつながっています。

例えば地方にある既存のオフィスビルがあって、“廃墟”と呼ばれていたとします。誰が見てもね。でも自分たちが見ると違って見えるんですよ。これは手を加えれば新しい価値が創造できるぞと。

日本の不動産業って減点法から入ることが多いんですね。僕らのようにそこに隠れているポテンシャルをマーケット目線で引き出して加点していくという手法は、普通取らない。

でも不動産業は──ほかの業界もそうだと思いますが──お客様あっての仕事です。不動産業界の視点よりも大切なのはマーケットの視点。それを養えているのは、やはり普段から不動産業界の人たちだけじゃなく、違う世界の人たちとも積極的に付き合うようにしているからかな(笑)。

基本は午後8時までに仕事は終えて、いろいろな人に会うようにしています。そうして業界のムードだけに飲み込まれないように心がけているんです。
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文=清水りょういち 編集=明石康正

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