マネー

2016.03.27

「医者になりたかった」ホーム・デポ創業者 病院に84億円寄付

ホーム・デポ共同創業者のバーナード・マーカス (Photo W.A. Harewood/Getty Images)

ホーム・デポの共同創業者、バーナード・マーカス(Bernard Marcus)は、ジョージア州アトランタを拠点とするコミュニティーホスピタル「ピードモント・ヘルスケア(Piedmont Healthcare)」に、自身の慈善事業財団「マーカス財団(The Marcus Foundation, Inc.)」を通じ7,500万ドル(約83億7,000万円)を寄付した。アメリカの地域医療の担い手であるコミュニティーホスピタルへの寄付としては、過去2番目に多い額となりそうだ。

アトランタ在住のマーカスは推定資産37億ドル(約4,128億円)。資産のほとんどは1978年にアーサー・ブランクと創業したホーム・デポの成功によるものだ。マーカスは慈善活動に注力するため、2001年にホーム・デポの会長職を退任。小児医療に主眼を置くマーカス財団を通じ、これまでに10億ドル(約1,116億円)以上を寄付している。

学費を払えず「医学部進学を断念」した過去

今回の寄付金は、ピードモント・ヘルスケアの改修工事および「マーカス心臓血管センター(Marcus Heart and Vascular Center)」の設立に充てられる。同センターは心疾患の治療や研究分野で業界をリードすることが期待される。

ニュージャージー州育ちのマーカスは、医学を志しハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)に入学を認められたものの、学費が払えず進学を断念した過去がある。ホーム・デポで巨万の富を築いた後、彼は第2の故郷であるジョージア州で医療業界を支援する活動を行ってきた。幹細胞と脳障害治療に関する研究の支援のため、デューク大学に数百万ドルを寄付したほか、全米屈指の規模を誇る「マーカス自閉症センター(Marcus Autism Center)」も立ち上げた。

マーカスは今回の米大統領選で共和党候補者らに多額の献金を行っていることでも知られる。彼の共和党候補者とその関連団体への寄付額は「米国で最も富裕な400名リスト(フォーブス400)」に名を連ねるの人物の中で、上位数名に入っている。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事