オバマ米大統領が2014年末、50年に渡り断絶状態だった両国の国交正常化を宣言したことで、投資家らはキューバ関連のビジネスに目を向け、ハーツフェルドのファンドは50%高騰した。
2015年に同ファンドは基準価額より約60%高値で取引されることもあった。しかし、通商正常化への歩みが進展するにつれて、CUBAファンドに対する熱はひいていった。今年初めには、ファンドは基準価額から大きく割り引かれた価格で取引され始めた。
しかし、オバマ大統領がハバナを訪れた今週、ハーツフェルドのCUBAファンドは再び注目され、価格が上昇している。ファンドの現在の価格は8.10ドルで、前回報告の基準価額6.66ドルより20%高値となっている。
ハーツフェルドのファンドの保有株の多くは公開市場で購入できる銘柄で、企業のほとんどはキューバを主要マーケットとしていない。
モーニングスターのデータによるとファンド保有株の上位6社は、航空会社のコパ・ホールディングス(Copa Holdings)、インフラ建設のMasTec、南米のボトラーコカ・コーラFemsa(フォメント・エコノミコ・メヒカーノ)、クルーズ船を運航するロイヤル・カリビアン・クルーズ、ノルウェージャン・クルーズライン、農業・交通輸送のコングロマリットのシーボードコーポレーション(Seaboard Corp)で、ファンドの資産の3分の1以上を占めている。
また、最近の資料によると、ファンドは1977年満期のキューバ国債を保有しており、資産価値はゼロドルとなっている。キューバの電力会社とベネズエラの鉄鋼メーカーの株もただ同然で保有している。
しかし、キューバでビジネスをしやすい環境が早期に確立されるなら、これらの財産も価値を持つかもしれない。ヘッジファンド大手のエリオット・マネジメント(Elliott Management)は最近、デフォルトしたアルゼンチン国債で大儲けした。
今のところ、ハーツフェルドのファンドはわずかな上昇を遂げているに過ぎない。しかし、これから先、投資家たちの関心はさらに高まることも期待される。