ソニーが投下した 「仮想現実界のiPhone」 プレステVRが最強な理由

ソニーの「プレイステーションVR」 (Photo by Alex Wong/Getty Images)


価格の安さと手軽さが売りのソニーVR

パーマー・ラッキーはかつて「VRは誰にでも手が届く価格になるよりも先に、あらゆる人が欲しがるモノになるだろう」と述べたが、ソニーは最初から値ごろ感のある価格を打ち出したことで、その競争で一歩先に立った。

プレイステーションVRを利用するための費用は約800ドル(コンソール349ドル、カメラ49ドル、ヘッドセット400ドル)で、ホリデーシーズンには大幅な値引きが期待できる。また、PS4の普及台数は世界で3,600万台と、オキュラスやHTCの推奨スペックを満たすPCの3倍近くもある。

プレイステーションVRの出荷開始は10月だが、年内に500万台をクリアしてもおかしくないし、2017年の夏までにオキュラスの10倍の台数を販売している可能性もある。

ゲーム開発者らもソニーVRを支持

それでも、オキュラスやHTCが挽回する可能性は大いにある。PS4のスペックは、オキュラスやHTCが推奨しているPCよりも低く、アップグレード周期もPCの方がはるかに短い。

ソニーは、PS5のリリースまで機能アップグレードをしないだろうが、オキュラスとHTCは1、2年後にはグラフィック性能が飛躍的に向上した次世代モデルを投入し、よりリアルなVR体験が楽しめるようになるかもしれない。

しかし、目下のところユーザーにとっては、VR体験の質よりも手軽に楽しめることの方が重要だ。また、ゲーム開発者としては、ソニーはハードウェアが一貫していて開発がしやすい。

その意味で、プレイステーションVRは、VR業界におけるiPhoneのような存在になるかもしれない。iPhoneの成功を真似るのは容易ではないが、プレイステーションVR の売上が10億ドルを突破する日はそう遠くないだろう。

編集=上田裕資

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