ソニーが投下した 「仮想現実界のiPhone」 プレステVRが最強な理由

ソニーの「プレイステーションVR」 (Photo by Alex Wong/Getty Images)

先日、ソニーの「プレイステーションVR」の価格が発表された。競合のオキュラスリフト(Oculus Rift)やHTC Viveよりも大幅に安い399ドルで、フォーブスのデイブ・シアー記者は「ソニーが爆弾を投下した」と表現した。これでVR開発競争の第1ラウンドはソニーに軍配が上がる可能性が高まったと言える。

オキュラスはアップルウォッチの1割しか売れない

オキュラスリフトは一番乗りで製品を出荷するが、対象となるユーザーベースが大きくないのが課題だ。Nvidiaの推計によると、オキュラスのVRマシンを快適に動かせるスペックのPCは、世界で1,300万台程度しかないという。

オキュラス創業者パーマー・ラッキーは、Macのスペックが推奨レベルに達していないことから、当面は非対応にすると述べた。

全米民生技術協会(Consumer Technology Association)は、対応スペックのPC所有者のうち、年内にVRを購入する人は一割にも満たないと予測している。これが事実だとしたら、昨年販売されたアップルウォッチの十分の一程度の台数に過ぎない。

オキュラスリフトの価格は599ドルで、PCを加えると2,000ドル近くになる。デル、エイスース、エイリアンウェアは、オキュラスリフトとハイスペックなPCのセット商品を1499ドルで販売している。これだけの金額を支払えば最高のVR体験が得られるのは間違いないが、費用の大半をWindowsのPCが占めるというのは、ユーザーにとって喜ばしい話では無いかもしれない。

ハイレベルなVR体験が可能なHTC

VRマシンを買う人のうち一定の層は、オキュラスリフトよりも200ドルほど割高なHTC Viveを選ぶだろう。HTC Viveの最大の目玉は、部屋の中を歩き回れるVR体験が可能なことだが、それ以外にもモーションコントローラーが最初から付属していたり、ゲーム配信プラットフォームの「Steam」と連携していることなどが強みだ。

PCに関しては、HTCはオキュラスと同等レベルのスペックを推奨しており、この点でコストに大きな違いはない。
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編集=上田裕資

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