─子どものころに、野心を持てと教えらえたのか
そういう言い方をされてはいなかったが、祖母にはいつも「始めたことは何でも、得意だと言えるようになれ」と言われた。それに、母はいつも「世の中は不公平。だから、文句の付けようもないほど良い結果を残しなさい。Aを取りたかったらA+を目指しなさい」と言っていた。やるからには頑張ろう、誰より良い結果を残そう、と思うようになったのは、2人のおかげだろう。
─成功の理由は
最も大きいのは、信念を持ち続けたことだと思う。それに、逆境に直面すると乗り越えたい気持ちがかえって強くなる性格だということ。3つ目は、根気や忍耐力、回復力と言われるようなもの。4つ目があるとすれば、いつでも誰かにやる気を起こさせたり、明るくさせたりしたいと思っていること。
─仕事で直面した最大の障害は
成功のための方程式には、さまざまな要因が影響を及ぼすのだということを理解していなかったことだ。働き始めたころは、懸命に努力してさえいれば良いと思っていた。だが、人にどう評価されるかが成功を決めるのだと、徐々に理解した。受け取られ方次第で、その人のあなたに対する態度は変わる。例えば、一人でできないことがあっても大きな成功を収めるためには、他の人たちとの良好な関係が必要だ。
─政治力は必要だと思うか
これまで話してきたことは、どれも政治的な手腕だといえる。政治力がある人は、人間関係の重要さが分かる。そして、成功のためにいかにその関係を活用すべきか、も理解することができる。
─有色人種の女性はより多くの課題に直面すると思うか
まったく思わない。働き始める前、南部で育った子供時代に同じ質問をされたら、肌の色を言い訳にしていただろう。だが、より重要なのは(物事を正確に)理解することだ。
─どうやって障害を乗り越えたのか
話した通り、逆境のときこそ燃える性格だ。難しそうだと思ったり、誰かが邪魔立てしていると思ったりすると、乗り越えるのだという決意が一層、固くなる。
─その意味で、母親は模範になる人物だったか
間違いない。簡単に思いとどまらせることができる人ではなかった。