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I write about interesting Chinese companies

アリババ・グループ会長 ジャック・マー (Photo by Andrew Burton/Getty Images)

北京のPR会社で働く25歳のサイモン・ワンにとって、オンライン注文の昼食デリバリーは欠かせない存在だ。ある日、ワンはスマホのアプリで割引サービスを使い、23元(約400円)のバーベキューボックスをたった5元(約86円)でオフィスまで配達してもらった。彼は値引き率が高いアプリを好んで使うという。

フードデリバリーや洗車、共同購入等のO2O(オンライン・トゥ・オフライン)系のサービスは中国で大きな成長を遂げている。バイドゥ(百度)やテンセント(騰訊)は激しい顧客争奪戦を繰り広げ、割引クーポンを大盤振る舞いしている。

バイドゥは昨年、グループ会社化した共同購入サイトヌオミー(糯米網)に今後3年で32億元(約552億円)を投資すると表明した。テンセントが出資する消費者サービスサイト美団点評(メイトゥアンディエンピン)は毎月6億元(約103億円)を投下していると伝えられる。

グルーポンの失敗から学んだアリババ

一方でアリババは値引きによるユーザー獲得競争から撤退する構えだ。2月に米グルーポンの株式を5.6%取得したアリババは、グルーポンの失敗に学んでいるようだ。グルーポンのクーポンに引き寄せられた客は常連にはならず、後発の類似サービスが出てくるとそれに乗り換えてしまった。

アリババは傘下の金融サービスのアント・ファイナンシャルと組んで昨年、O2Oサービスの口碑網(コウベイ)に10億元(約172億円)を投資した。

同社のファン・チー(範馳)CEOは「口碑網は商店から血を吸い取るような値引きモデルとは一線を画す」と語った。「口碑網は値引きでユーザーを引き付けるのでなく、ユーザーの消費行動の把握に役立つマーケティングデータを提供し、店舗の顧客獲得を支援する」と述べた。

しかし、アナリストたちは値引きが消費者の獲得に最も効果的だと考えており、アリババの戦略には否定的だ。調査会社iiMediaは「どの社も似たようなサービスを提供している以上、値引きとクーポンが非常に重要なのは間違いない。O2Oビジネスはまだそういう段階だ」と述べた。

北京のコンサルタント速途網(Sootoo)によると、中国のフードデリバリーマーケットにおける口碑網の昨年のシェアは8.1%で業界4位だった。首位の美団は32.3%、Ele.me(餓了麼)は27.1%、バイドゥは12.5%のシェアを持っている。アリババは昨年第4四半期の口碑網の取引総額が158億元(約2,720億円)だったと公表している。

口碑網は昨年、ユーザーが商店に働きかけて口碑網に引き入れた場合、紹介者に300元(約5,200円)の報酬を提供するキャンペーンを始めた。現時点で口碑網には中国300都市の約80万商店が参加している。

HSBCアジア太平洋部門でインターネットリサーチを統括するチー・ツァンは「アリババの取り組みは非常にユニークです。アリペイを導入している商店がより多くの顧客を獲得できる仕組みを作ろうとしています」と分析している。

編集=上田裕資

 

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