国際物流を「近代化」した米フレックスポート、顧客重視の概念も導入

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始まりは「おもちゃ」のネット販売

ピーターセンは高校生だった1990年代後半、自宅で小規模なビジネスを始めていた兄やその友人たちと組むことにした。兄たちは、素晴らし出来栄えとは言えないさまざまなものを、イーベイに出品していた。そして、米国内の卸売業者から材料を購入するのではなく、中国から直接輸入する方が儲かることに彼らが気付くまでには、そう時間はかからなかった。

それから10年間、彼らは合わせて40近いネット販売のサイトを開設し、スクーターからダートバイク、便器から流し台まで、ありとあらゆるものを販売した。やがて、彼らは検索エンジンの最適化やオンライン広告の購入、電子商取引の経験を提供することのエキスパートへと成長した。同氏はこの間に、貨物輸送について色々なことを学んだという。

「別の国との間で荷物をやり取りするのがどれほど大変なことか、よく分かった。税関を通し、すべての規制に違反していないことを確認し、荷物がどこにあるのか、いつ届くのか、最終的に輸送料がいくらになるのかを突き止め、さらには料金を吹っ掛けられないようにするにはどうすればいいか、これらがどれほど面倒なことか、十分に理解した。これらは何年間にもわたって、僕らが苦労し続けた問題だ」

同氏はその後、自らの事業のため中国に渡った。彼がある貴重な発見をしたのは、その中国でのことだった。出荷マニフェストなど、米国の税関に提出される手続き関連の書類はすべて、公記録だということに気付いたのだ。再び兄とその友人と共にビジネスを始めることにした同氏は、こうした書類およそ3億8,000万件を集めてインデックスを付け、検索可能にした。そして2008年、主に輸出入業者を対象に定額制でサービスを提供する「インポートジニアス・ドットコム(ImportGenuis.com)」を立ち上げた。

ピーターセンは、国際輸送サービスを提供する企業としてフレックスポートを創業。ソフトウェアを活用することにより、あらゆる規模の企業により簡単な外国との貨物のやり取りを可能にすることを目指している。

編集 = 木内涼子

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