見えるものが違う。“リノベーション”を武器に急成長を遂げたリビタを率いる内山博文氏は、既存の価値観を徹底的に疑い、ひっくり返してきた。不動産価値を再創造する特別な目を持った彼を支えるデジタルツールとは――?
常識に縛られないから価値を再創造できる新築マンションを建てて売るのが不動産業の仕事の常識で──。でもそれを疑ったのが僕の仕事です。
リノベーションはマーケット目線で考えることが何よりも大事です。不動産業者は築年数や徒歩分数で価値を判断するのが当たり前です。物件としてオフィスビルを見るときになど、通常ならその基準だけで「買ってもこれ坪3,000円でしか貸せないよね」って判断するんですよ。
でも僕は、その物件の天井の高さが気になってしょうがなかったりする。最近は2.5メートルぐらいの高さが当たり前なのに、ここは4.5メートル近くあるじゃないかと。今どきそう簡単にこうした空間はつくり出せないじゃないかと。
僕は、そこに違う価値があるんじゃないかと掘り下げて考えるようにしています。そしてそこを、たとえばホテルというかたちで再創造したらどうなんだと閃いたり。これこそがリノベーションの真髄で、価値再創造なんです。
パッと見た目で常識的に判断したんでは、この仕事はできません。このノートPCにしたってスタイリッシュな外見がまず目に入りますが、そこには堅牢性へのこだわりやデスクトップPCレベルの性能、軽さという優位性も組み込まれているのです。例えば、PCであれば、こういった真の価値を秘めたモノでなければ、僕は選ぼうとは思わないでしょう。