アメリカでは嗜好品としての大麻も産業化しつつあるが、上場企業として大麻薬品の開発に取り組むGW社は突出した存在だ。同社はナスダックに上場し、多発性硬化症の治療用の大麻薬品「サティベックス(Sativex)」を商品化し、米国以外の28ヶ国で医薬品として承認を得ている。また、重度のてんかん治療に向けた4つの臨床試験が最終段階を迎えている。
米国初の「大麻を使用した処方薬」となる可能性も
今回の「エピディオレックス」は、ドラベ症候群という1歳未満の乳児が発症する難治性てんかんの治療を目的に開発された。この薬品を投与された患者は、発作を起こす回数が平均して39%も少なくなった。GW社によれば米食品医薬品局(FDA)の承認を得るにはまだいくつか段階を踏む必要があるが、エピディオレックスはアメリカで大麻を使用した初の処方薬となる可能性もある。
ニューヨーク大学総合てんかんセンターのOrrin Devinsky医師は、GW社のプレスリリースで次のように述べた。
「エピディオレックスの臨床試験結果は、極めて重要で注目に値します。実験を通じて、ドラベ症候群の子供たちがカンナビジオールを摂取した場合の安全性と有効性が立証されました。エピディオレックスは発作の頻度を低く抑えるという臨床的に非常に重要な結果をもたらしました」