これらの結果は、HSBCが2,800人を対象に行った調査で導き出された。対象者は自己資本25万ドル(約2,800万円)以上の起業家で、彼らの平均資産額は460万ドル(約5億2,000万円)だ。
ミレニアル世代が他世代と異なるのは、今回見られた地域的傾向だけではない。国や地域を問わず、若い世代の起業家が最も重要視するのは、世の中に貢献したいという意思だ。HSBCの調査によると、ミレニアル世代の回答者の69%が、経済にポジティブなインパクトをもたらすことを望んでおり、59%が地域社会に貢献したいと答えている。
HSBCのNick Levitt氏は、最近の取材で次のように述べた。「大抵の人が、起業する目的は金儲けです。しかし、ミレニアル世代を起業へと突き動かしているのは、まったく異なる理由です。お金は結果であって、彼らにとって主要な動機ではありません」
ミレニアル世代起業家の79%は慈善活動に関心が強い
ミレニアル世代が築く資金にアクセスするため、HSBCはデジタル、もしくはリアルで彼らを顧客として獲得する方法を模索している。今回の調査では、対象になった同世代のうち79%が昨年一年間で積極的に慈善活動に関わっていた。ミレニアル世代の起業家たちは、資産を寄付したいという思いが強い。
「若い起業家らは、早い段階から資産継承計画を立て始めると見込んでいます。この世代は、計り知れない影響力を秘めています。彼らは、遥かに多くの選択肢をもっているのです」とLevitt氏は述べた。
フォーブスが最近発表した2016年版ビリオネアリスト(世界長者番付)では、一代で財を成した40歳以下のビリオネアが36人名を連ねている。その半数は、スタートアップで10億ドルを上回る資産価値のユニコーン企業を率い、富を形成している。
今回のHSBCの調査ではテック、フィンテック、テレコム業界が、ミレニアル世代の経営者に最も人気のある分野だということも明らかになった。