谷本:開拓者のような精神ということですね。
徳重:海外に行くことも重要なんです。テラモーターズは、創立後すぐにアジアへ展開しました。テラドローンも、日本と世界、同時に進行していきます。日本と海外ほぼ同時に進出なんて、ベンチャーの常識をはずれています。仮に大企業の事業だとしても、日本では考えられないことです。
なぜかというと、日本がとにかくリスクを気にする国だからです。ある大企業は「国内ではリスクをとるけど、海外ではリスクはとらない」という理由で、ある事業の海外進出を諦めたといいます。10個くらいリスクを挙げて、全てを潰さないと踏み切らない。
しかし、新興国に行ってみると、誰もリスクなんて言わないんです。とにかく“Opportunity Loss(機会損失)”ばかり。グレーな部分があっても、とにかく飛び出す。荒地をブルドーザーでまわしていきながら、最後には整地、きちんとする。そのときには、規模的にもすごく成功している。日本はもっとチャレンジが奨励される社会になることが重要だと思います。
谷本:1,000億円売り上げるメガベンチャーになるという今の目標を達成されたら、その先はどのようにお考えですか?
徳重社長とインドの現地スタッフ
徳重:「産業をつくる」ことと「教育」を僕は大事にしています。ドローンの新会社を設立したように、まだまだイノベーションを生み出す会社を次々とつくりたいという思いがある。また、「教育」という意味では、同郷の吉田松陰もすごかったのですが、彼の門下生が国を造っている。産業をつくることも大事ですが、日本には圧倒的にプロの経営者が少ない。しかも、グローバルな視点で見られる人がいない。
だから次のステージとしては、イーロン・マスクもそうですが、YouTube、LinkedInの創業者など、いまシリコンバレーで活躍している人のほとんどが元は米・PayPal社出身であることから“ペイパル・マフィア”と呼ばれているように、僕は“テラマフィア”をつくっていきたいですね。