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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Didecs / Shutterstock

キャッチフレーズは「カットなし、カラーなし、ブローのみ」――。シャンプーとブローに特化した創業6年の美容室チェーンDrybarが今、全米で勢いを増している。

3月10日にはワシントンDC近郊の大型ショッピングモール、タイソンズ・コーナーに57店目のサロンがオープン。年内にあと10数店舗、来年はカナダ各地にも開店する予定だ。Drybarはかつて出張ヘアスタイリストだった女性創業者アリ・ウェブが設立した企業。

彼女は、ヤフーなどでマーケティングのキャリアを積んだ兄のマイケル・ランドーと、広告業界出身の夫とともに創業。初代CEOの兄が出資した25万ドル(約2,820万円)と夫婦の貯金5万ドル(約565万円)を元手に2010年2月、ロサンゼルスの高級住宅街ブレントウッドに第1号店を開いた。

「ブローだけ」で顧客はつかめると直感した

ブローに40ドル(昨年値上がりして現在は45ドル)払う女性は多数存在するというウェブの読みは当たり、カリフォルニア州とニューヨーク州を中心に次々に支店を展開。2012年にフォーブスが初めて同社を取材した時点で2,000万ドル(約22億5,800万円)だった年間売上高は、2015年には7,000万ドル(約79億円)に急増した。

また、事業を拡大するために2010年以来、5,300万ドル(約59億8,400万円)を資金調達しており、2014年にネイルのトップブランドOPIの社長などを歴任した美容業界のベテラン、ジョン・ヘフナーが新CEOに就任。ランドーは会長に退いた。

「(前回の取材時から)状況が大きく変わりました。当時はまだブロー専門サロンというものが認知されていませんでしたが、今ではより良い一日を過ごすためのお手軽なラグジュアリーです」とウェブは言う。

チェーンの拡大に加えて、オリジナルのヘアケア用品の人気も同社の発展を支えている。Drybarのイメージカラーであるカナリアイエローのドライヤー(195ドル)、ヘアスタイルを長持ちさせるドライシャンプー(23ドル)、シルクの枕カバー(45ドル)といった商品の売上は、Drybar総売上の4分の1を占める。

とはいえ、やはり一番の売りはプロのスタイリストの技術とサロンの洗練された空間だ。黄色のバラが飾られたDrybarのサロンでは、来店者はクッキーやシャンパン、コーヒーに迎えられ、ブローの最中も目の前のスクリーンで映画を楽しむことができる。

ブローの需要が明らかになった現在、ブロー専門サロンは開店資金があまりかからないこともあり、新規参入するライバルは多い。どうすれば他社と差別化できるかを考えた結果、ウェブが見出した秘訣は一貫性だった。スターバックスのドリンクメニューが全国共通であるように、Drybarはすべてのサロンで同じサービスを提供する。艶を出したストレートヘア「マンハッタン・スリーク」やルーズな巻き髪「マイ・タイ」といった髪型のメニューはもちろん、顧客との会話の仕方やブラッシング方法も全店同一だ。

今のウェブの野望は、カナダに続いてヨーロッパでもチェーン展開することだという。欧州第1号店の舞台はロンドンと決めている。Drybarの顧客には仕事で各地を飛び回る女性が多い。彼女たちにとって、出張先でもお気に入りのヘアスタイルで勝負できることは大きなメリットだ。ウェブは言う。「私たちが売っているのは自信です。それには45ドル以上の価値があるのです」

編集=海田恭子

 

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