世界2億DL突破 「インスタ超え」を狙う画像アプリPicsArtの野望

PicsArtを使った「インスタインマイハンド」の一例


セコイア・キャピタルらから2500万ドルを調達

PicsArtアプリのダウンロード数は、累計で2億5000万回を超える。同社は2015年にシリーズAとBラウンドで合計2500万ドルをセコイア・キャピタルとインサイト・ベンチャー・パートナーズから調達しており、セコイアのパートナーであるOmar HamouiがPicsArtの取締役に就任している。アプリの主なユーザー層は14歳から24歳の女性となっている。

「PicsArtに参画した最大の理由は、会社のコミットメントの強さと、ユーザーの情熱の大きさだ」とダハチュニアン はインタビューで答えている。「自撮り写真やニュース記事をシェアするのに比べて、PicsArtを利用するユーザーは目的意識が高く、よりクリエイティブだ。PicsArtは広く普及するブランドになる可能性を秘めている」

開発はアルメニア、マーケティング拠点はサンフランシスコ

PicsArtはアルメニアで設立され、アンドロイド版アプリを2012年に、iOS版アプリを2014年にリリースしている。事業は順調に立ち上がり、最初に資金調達を実施したときには既に黒字化を達成していた。収益源は広告とスポンサードコンテンツの他、特別なフォントや画像をユーザーに販売している。

調査会社Pitchbookによると、PicsArtのポストマネーでの評価額は約2億5000万ドルだという。ユーザーの25%はアメリカ在住で、残りはアジア、ヨーロッパー、南アメリカに均等に分布している。社員数は約150名で、エンジニアの大半はアルメニアに拠点を置いている。アボヤンCEOは主にサンフランシスコ事務所を拠点とし、必要に応じてアルメニアに出張している。

「我々は長年自己資金で事業を運営してきたが、新たに外部から資金調達したことで今後は成長性を追求することができる」とアボヤンはインタビューで答えている。「我々は世界をもっと美しくしていきたいんだ」と彼は言う。

アボヤンは、お絵描き好きな娘がレストランのナプキンにスケッチを描いている姿を見てPicsArtのアイデアを思い立ったと言う。彼のゴールは、あらゆる人にとって心地よいコミュニティを築くことだ。

PicsArtは、iPhone向けベストアプリのトップ10に2014年と2015年の二度選ばれている。アプリ分析サービスのアップアニー(App Annie)によると、PicsArtはアメリカにおける「写真 /ビデオ」カテゴリのダウンロード数でトップ20に入っているという。

「新しいソーシャルネットワークが必要かと聞かれたら、恐らく多くの人は不要と答えるだろう。我々が成功する上で重要なポイントは、アート作品が身の周りにあって当然な環境をつくることだ」とダハチュニアンは述べている。

編集=上田裕資

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