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金融の善悪、不穏について執筆

ウォール街のニューヨーク証券取引所 (Philippe LEJEANVRE / Gettyimages)

米国では、昨年1年で3兆8,000億ドル(約429兆円)相当の企業買収契約が締結された。M&Aの件数が記録的な数字を達成したにも関わらず、取引に貢献したウォール街のビジネスマンに支払われた賞与は、それを反映するものではなかった。

ニューヨーク州会計検査院が3月7日発表した、ウォール街の銀行や証券会社が社員へ支払った平均賞与額は前年比 9%減。金融市場の低迷を示す結果となった。しかし、報告書に記載された賞与額は庶民から見れば涙が出るほど高額だ。

2015年のウォール街の平均賞与額は14万6,000ドル(約1660万円)。平均給与は25万ドル(約2800万円)。年収総額は実に約4500万円に及ぶ。「週に120間働く」とも言われる彼らは(もしそれが本当ならば)、時給にして約63ドル(約7000円)を手にしている。これはニューヨークの企業の平均の約6倍の報酬だ。

ニューヨーク州労働局によると、ニューヨーク市では過去二年間に24万8000人の雇用が創出された。しかし、世界中に拠点をもつゴールドマンやJPモルガンは、この雇用増加に差ほど役割を果たしてはいない。同じ二年間で証券業界が雇用したのは6,900人と、ニューヨーク市全体の雇用増加数の2.7%を占めるに過ぎない。

「ニューヨーク市では従来、証券業界が景気回復期における雇用創出の牽引役を担ってきた。しかし、現在の状況は違っている」と会計検査院所長は述べた。だが、金額ボリュームだけに目を向けると、ニューヨーク市の財政は依然としてウォール街に大きく依存している。同市における賃金全体の4分の一近くを金融業界が占めているのが現状だ。

有価証券報告書によると、投資会社ブラックストーン・グループの共同創業者兼CEO、スティーブン・シュワルツマンと同社不動産投資部門を率いるジョナサン・グレイの昨年の年収額は、併せて8億ドル(約900億円)にも上る。大手投資会社KKRの共同創設者、ヘンリー・クラビスとジョージ・ロバーツらも、2億ドル(約225億円)を超える収入を得ている。

編集=上田裕資

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